井の頭歯科

 新国立バレエ バレエ・コフレ を観ました

2025年4月2日 (水) 09:34

 

新国立バレエ バレエ・コフレ 私は3月16日の最終日に観劇しました。
プログラム
1火の鳥
2正確さによる目眩くスリル
3エチュード
火の鳥 はストラヴィンスキーの曲で振付はミハエル・フォーキン
物語のある演目ですし、非常に筋が分かりやすいバレエ作品。イワン王子が火の鳥を捕まえようとするも、魅入られて火の鳥の羽をもらい受けて逃がす。魔王カスチェイの呪いにより王国が支配された国の王妃からイワン王子は懇願されてカスチェイの呪いを解こうとするも、難しいのですが火の鳥の羽を振り、火の鳥がカスチェイを眠らせる。その隙にイワン王子がカスチェイの大切な魔力の源である卵を壊して平和が訪れる。というストーリィです。
まず、生のオケの音楽の素晴らしさは非常に堪能できました。衣装含む美術も素晴らしかった。
火の鳥の踊り手の踊りが凄く小さく感じます。2mくらいの距離で観ていたら気にならないかも知れませんが、劇場ではどうしても存在感と踊りの小ささが気になってしまいました。主役でもあり、踊りも鳥、それも火の鳥を連想させなければならない非常に重要なキーなのですが、ちょっと残念。鳥を連想させる軽やかさ、俊敏さがもう少しあった方が良かったと思います。ムズカシイ事だとは思いますし、出来ているダンサーが少ないと思いますけれど。既に何度も観ている演目だったり、海外のバレエ団でのDVDなど見てしまっていると、どうしても比較してしまいます。その上で生の素晴らしさを出さなければならないわけで、酷な表現になってしまいましたが、もう少し大きく身体を使って欲しかった。
イワン王子は逆に踊りが少ない分、存在感が必要。観てすぐに王子と分からせなければならないが、異国の話しで、さらに王子となると日本ではとても無理な要求なのかも知れません。それでも、例えば強引さのようなマイムを演出するとか、火の鳥との踊りの際の捕まえている、という部分に王子性のような優雅さみたいな補強が欲しかったです。
いつも思いますが、バレエの本場ではないこの国では、踊りのステップや改訂を行わずに、世界観を補強する演出は必要だと思うのです。ラスト近く、王妃との頬を合わせる挨拶のようなキスシーンのような場面がありますけれど、こういうシーンを恥ずかしがらずに全力で、その気持ちを持って、演じるのではなく行う事が必要なんだと思います。これを日本のどのバレエ団も非常に疎かにしていると思うのです。すぐに改善できるものであり、それだけで世界観を醸し出せるので、恥ずかしがらずにやるべきだと思います。踊りが正確であれば良いというものでは無く、観劇であるわけで雰囲気作りや世界観に没入させる演出は重要だと思いますし、ココで恥ずかしがられると、凄くお遊戯的に見えてしまい残念だと思います。これは海外で公演しないと肌感覚として難しいのかも知れません。新国立バレエは今後海外での公演があるそうなので、そこで批評される事は今後にきっと役立つと思います。
特に日本のバレエの世界は批評があまりに少なく、元ダンサーだけではない批評家を育てるべきだし、そこから気付きや変化に繋げて少しでも一般層への浸透を考えないと難しい状況だと思う。あまりにダンサー向け、経験者向けだけでは広がりようがないとも思ったりします。
それも出来れば面白く伝え批評出来る人が必要。動画配信でも良いので、ウォッカ・ゴリラさんの様な人が増えて欲しいです。
2正確さによる目眩くスリル
音楽はシューベルトで振付はウィリアム・フォーサイス。
男2名女3名の筋の無いバレエ。この5名の中では最初に舞台向かって左手で踊る男性が非常に良かった。ストーリィやキャラクターに頼れない分、まさに踊りですべてを表現しなければならないので、非常にハードルが高いと思います。さらに、タイトな衣装を着ている分、より身体のラインでも説得力が必要になる点で、この後の「エチュード」のように同じ物語の無いバレエの中でも、踊りに焦点が絞られていて、ある種残酷と感じました。何故なら、アジア人である日本人の体形がそもそもバレエに向かない可能性を感じてしまうからです。男性の方がまだダイナミクスを感じやすいけれど、女性の場合はともすると幼児性とか未発達性を感じやすいと思いました。もちろん皆技術は良いのでしょう。そして一定レベルの基準に達しているのでしょうけれど、そういう事とは別に、舞台、生の観劇で映えるか?という点も重要なポイントだと思います。海外のダンサーでのこの演目はまだ観た事が無いので何とも言えない部分はありますけれど。
でも初めての演目、楽しかったです。
3エチュード
音楽はカール・チェルニー/クヌドーゲ・リーサゲル編曲で振付はハラルド・ランダー。
いわゆるバレエのレッスン、ダンサーの練習風景を、その1日を追いかけるような振付。これまたテクニカルな演目。
まず、何と言っても水井駿介さんが素晴らしかったし、この人目当てで観劇しているので、どうしても目がそちらに行ってしまう。牧阿佐美バレエで魅せた「アルルの女」があまりに良かったので、追いかけていますけれど、この人だけが次元の違いを感じさせるバレエでした。
もう1名の男性のソロの方も素晴らしいバレエだと思います、普通なら。中心に居つつ周囲を4名のダンサーで回転する場面も、確かに素晴らしいし拍手が起こるのも理解出来ます。ですが、頑張ってる、が観客に伝わってしまうのはあまり良い事ではないのではないか?と思うのです。安定感と安心感の上に余裕を感じさせ、ギリギリの限界ではなく、余裕を持っているかどうか?は演技の幅に大きな違いを感じさせると思います。
衣装に上腕に膨らみを持たせた衣装、逆に言うとそれ以外はかなりタイトな白一色の衣装なので、どうしてもエレガンスさを出すのに向いているはずですし、それを理解してコーディネートされているはず。それを醸し出していたのは水井さんだけだった・・・と私は思いました。
女性主役のダンサーは、私が読臭として映像でいろいろ観てしまい、ドロテ・ジルベールで観てしまった為に、だと思いますけれど、どうしても、もっと、と言う感じで足りなさを感じました。それは存在感含む空間の使い方や体を大きく使って欲しいという分含めて、とにかく足りない、と感じてしまったのです。身体は絞れていますし、何か技術が足りないとかでもない。だからこそある種残酷だけれど、足りない、と感じてしまったんだと思います。
動画って本当に見比べられる、という恐ろしさがあります。しかし、これはどんな分野でも身体を使う事には通じると思うのですが、間違いなく、動画を使う事でも、ホモサピエンスの身体、技術の習得が早くなり、10年前なら世界でもこの人しか出来なかった、という技術がかなりの人が扱える技術、もちろんプロのある世界でも難しい事もあるでしょうけれど、広がったし早くなっていると思います。
技術が進歩しても、この人だけのオーラとか存在感と言われるものが実際にはあるし、このエチュードで言えば技術的正解はあるのでしょうけれど、それだけではない、魅力のようなものを出せる稀有なダンサーも居て、パトリック・デュポンには確かにあると思います。
水井さんのマズルカの特筆性は、まさにエレガント。そしてこういう事をノーブルというのだと思います。まさに高貴。人をひれ伏させるような圧力ではなく、開かれた、高揚感のあるノーブル。内側から感じさせる踊りを楽しんでいる感覚、技術的に身体的に非常に難しい事をやっているはず、なのに、全く大変さを感じさせない、この動きだからこそ伝わる何かを、そのまま提示出来る強さ、そしてここにアクセント、ちょっとした余裕、音楽的にも余裕があるからこそできる一時停止や急がない動き出し、といったアクセントが効いていると思います。だからこの人だけ妙に浮き上がって見えました。
ルグリに習っていたのは伊達じゃないと思います。
新国立バレエの年齢的な線引きや引退、もしくは椅子の数は全く分からないけれど、もし可能であれば、インタヴューで答えている通り、踊れる機会を増やすのであれば、今のポジションの方が良いのかも知れません。少なくとも新国立をもっと観に行こうと強く思いました。

「オズの魔法使い」を観ました  The Wizard of Oz

2025年4月1日 (火) 12:32

 

ヴィクター・フレミング監督     MGM     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   7/24
とても評判がイイ「ウィキッド」を観に行くかどうかも定かではないのですが、そういえば、オズの魔法使いの映画ってジュディ・ガーランドが出てなかったっけ?あの「偉大なるワンドゥードゥル最後の1匹」の?と思ったら、この作者はジュリー・アンドリュースでしたね。
みんな知ってるストーリィですし、でも結構忘れてしまってました。
カンザスのドロシーは・・・というのが冒頭です。
すんごくお金がかかっている映画!音楽も撮影も動物も美術も役者も素晴らしい!
とは言え児童文学ですから、まぁ善悪二元論で、少女にとっての空想としては深みは無いけれど、演者の凄さで全然今でも観れる作品。
で、この前日譚をやってるのがウィキッドなんですよね?
ん~見に行くか微妙です・・・
ウィキッドが気になる人にオススメします。
しかしちゃんと作る映画ってストーリィがもう一つでもちゃんと観れるの凄いなぁ~

トトが最高かと思ったら、最後に一瞬出てくるシャム猫ちゃんがその上を行く可愛さだった。

「閉ざされた森」を観ました   Basic

2025年3月28日 (金) 09:05

 

 

ジョン・マクティアナン監督     コロンビアピクチャーズ     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   7/23
年度末に入ったのと、病気の治療で全然休みが無いので映画館が遠い・・・
サブスクリプションサービスってどうしても業態的に、購入して貰う事も視野に入っている為に、定期的に、観れなくなる事があり、U-NEXTさんでは今月末で観られなくなるらしいので、観ました。
初めての監督かと思いきや、プレデター、ダイハード、レッド・オクトーバーを追え、の監督でした、びっくり。しかもwiki情報ですけれど、FBIに虚偽の報告の罪で収監された事がある・・・う~ん・・・ただ、ダイハードは良い映画。
会話劇です、なんとなく、ユージュアリー・サスペクツを思い浮かべていただけたら、遠からず、な作品。
この映画の噂、べた褒め動画もたくさんあるみたい。
で、いちいち検証していないし、なんなら英語から字幕に翻訳する段階で削られてしまう部分もあり、そこまで本作に思い入れが無い・・・
大どんでん返し、伏線回収は、緻密さが要求されますし、なんならどういう順番で謎に対して明らかになるか?は確実には決められません。もちろん映画や脚本なら、順番を決められる事でしょうけれど。
そこに偶然の要素が必ず入ってくる、という事が頭にあると、いくらなんでも、な展開に反って醒めてしまうものです。
ええっと、依頼者は?まずココです。いくらなんでも、依頼主が誰に依頼するか?はかなりの可能性があり、ちょっと、どうかと思うぞ。
それと、流石に、なんで、まぁ驚きたいと思っている人は楽しめたのではないでしょうか?それを否定しないし感想なんてみんな違ってみんないい。
でも、個人的には興醒めした、という事です。
まぁ最初にユージュアル・サスペクツがやった凄さは認められるけれど、次は二番煎じになってしまうし、私みたいに、ああ、アレか、になってしまうと思いました。
でも、初見のこういう作品がこの映画、という初回性という事もあり、それは個人的体験として意味がある。それは認める。けど、私には響かなかった、というだけです。
まだ、Armchair Detectiveみたいにしてくれたら、まだ興味が持てた。
とは言え、いちいち振り返って考えて指摘する作業はしません、そこまでの愛が無かった。だから辻褄があってたとしても、天丼が過ぎると醒める人もいる、という事ですね。
驚きたい人に、オススメします。

「大誘拐 RAINBOW KIDS」を観ました

2025年3月25日 (火) 09:36
https://www.youtube.com/watch?v=JiXDDcGzrC8
岡本喜八監督     東宝     U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   7/22
これは初めて観たわけではないのですが、テレビで何処かのタイミングで観ています、が、その時は「セリフが棒読みの奴がいる」とか「展開が遅い」とか難癖をつけていた事だけ覚えています。凄く生意気だった・・・監督の事も知らなかったですし、敬意が足りなかったし若かった。
そう、岡本喜八作品ですし、見返しておくか、そろそろ老境に入った事だし、という事で観ました。ホモサピエンスには未来は見通せないので、当たり前ですけれど、1歳でも100歳でも今しか分からないからいつでも晩年とも言える、というネガティブな思考の持ち主の、ただの感想です。
まず原作があるようで、未読なんですけれど、凄く面白そうです。何というか、山中恒っぽさがある。そしてミステリでもあるけれど、コメディです。
主演は誘拐されるお祖母ちゃん役を演じる北村谷栄さんです。もうこの人のチャーミングさがなかったら、この映画成立していない。本当に素晴らしい演技、声、柏手でした。今更ながら、大変素晴らしかった。
ここに、RAINBOUKIDS3名、風間トオル、内田勝康、西川弘志はっきり若手ですが、そして関西弁なかなか大変そうですけれど、セリフの読みももう一つかもしれないけれど、愛嬌があって好ましく感じました、これが歳を取るという事なのかも知れません。
相手役は和歌山県警の刑事緒形拳。なるほど、納得。
そしていつもの岡本喜八監督作品らしく、ゲストが豪華です、チョイ役でも様々な人が出ていて好演しています。
恐らくだけれど、とても岡本喜八監督らしいのがお祖母ちゃんの動機です。ここにちゃんと印が入ってる。
音楽も悪くなかったし、当時私は何を観ていたんだ?とも思ったけれど、まぁ老人力がついてきたおかげです。
岡本喜八監督が好きな方に(そう言えば人物搭乗で名前とか前科とかいれるの面白いし停止画にするの大河ドラマでも鎌倉殿の13人でもやってたな)オススメします。

「敵」を読みました

2025年3月21日 (金) 08:55
筒井康隆著     新潮社文庫
吉田大八監督映画「敵」を観たのですが、なかなか面白い老人文学と思い、さらに師匠にもオススメして頂いたので。
何と言いますか、映画を先に観ているので、映画のキャストで脳内再生してしまいます。
ですが、凄く独白日記文学作品になっています。好きな分野です。
これ、初版が1998年で、筒井先生は昭和9年1934年生まれだから64歳の時に、渡辺儀助75歳を描いているわけで、10歳以上感覚の先取りをしている事になります。うん私も現在54歳今年のうちに55歳になるわけだけれど、気分はもう65くらいの感覚です。
ところが、私の想う老人の、最も良いイメージってまぁ荷風先生なんですよね・・・独居老人最高、文化的享受があって初めて成り立つ生活に憧れている訳ですけれど、それも「断腸亭日常」があまりに面白いからなんですけれど、にしても、ちょっとなぁ、という部分もあるんですよね・・・
で、そういう部分を包み隠さず、何しろ日記文学のようなモノなので、老人の独白ですから、どうしても心情の吐露になりますし、そこに他者の目が入らないので、何処までが現実で、何処からが妄想なのか?非常に曖昧模糊としていきますし、そうしようとしている。
この辺で当て字の効果がじわりと効いてきていて、筒井文学を読んでいる、という感覚になります。
ただつい、長塚京三さんでイメージしてしまうから映画的なので、自分で想像すると、まぁ老人て、疲れていて、運動機能が失われ、感覚器官の衰えがあり、認識機能の失調をきたし、感情失禁を起こしやすくなるのわけですから、誰もそんな状況になりたくない、とは思うけれど自然の摂理だし、受け入れていく姿勢が必要でもあります。そんな事は誰に言われなくても理解しているのですが、いざ自分が、となると、またいろいろな感覚や感情が萌芽すると思います。
それでも、昔の感覚であれば、論語でも、七十にして心の欲する所に従えど矩を超えず、と言われてて、まぁそうなるんだろうなと思っていましたけれど、その域に達するのは不断な努力の結果であって、一般人でさえ難しいのにホモサピエンスの中でも能力の低いダメサピエンスの私では到底無理な話しだったわけです。
しかし筒井先生の創造した渡辺儀助の面白い所は、不定形だけれど、やたらと自分に厳しいところと、凄くヌルいところが混在していて、そこに味があると思います。
そしてジャズ大名の原作者でもあり、オール・ザット・ジャズ観ないとなぁ~と思いました。
老人になるすべての人にオススメします。
でも共通点もあった。
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