スコット・クーパー監督 20世紀フォックス
ジェフ・ブリッジス!個人的に好きな俳優さんです。最初に気になったのは「ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」でのピアノ奏者役の2枚目として。そしてテリー・ギリアム作品の「フィッシャー・キング」で影を持つちょっとダメだけど愛すべき男を演じたことでかなりお気に入りになりましたし、以後気がつけば見てるし、気になるし、キャリアとしても方向が決まってしまったかのようなキャスティングだったと思います。「隣人は静かに笑う」も「ローズ・イン・タイドランド」も好きな作品で好きな演技ですが、なんと言ってもやはり「ビッグ・リボウスキ」が個人的には映画としても、キャラクターとしても1番素晴らしいと思っています。
過去にスターであったカントリーミュージシャン、バッド・ブレイク(ジェフ・ブリッジス)は50代で地方をめぐるツアー、と言えば聞こえがいいですが、実際は1人で地元ミュージシャンとのセッションの毎日です。小さなライブを繰り返しながら流れていく歌手生活。当然自堕落になっていて酒が手放せません。そんなある日、地方紙の若い女記者にインタビューを受けるのですが・・・というのが冒頭です。
今回はネタバレなしなのですが、当然細かいツッコミどころはあるものの、非常にストレートなストーリィに仕上がっていて、ダメ男のリアルさが非常に際立つキャスティングなだけに、断ち切った後のシーンをもう少し詳しく、あるいは長く撮っても良かったのではないか?とは思いました、ちょっとネタバレっぽくなってしまいますけど。
哀愁、に理解のある方に、基本男性にオススメ致します。
で、どうしてもこの映画を見たら、「ビッグ・リボウスキ」を見たくなりました!
ジョエル・コーエン監督 アスミック・エースエンタテイメント
どうしようもない脱力感の漂う男デュード(ジェフ・ブリッジス)の本名はリボウスキ。何かとキレまくるベトナム帰還兵の大男ウォルターと小心者のサーファーで気さくなドニーと3人でボーリングチームを組み、大会に登録しています。しょっちゅうボーリング場でつるんでは酒を飲んでいる毎日、当然失業中です。そんなデュードのもとに強盗が同姓同名の金持ちリボウスキ氏と間違えて侵入してきて惨事を起こします。その賠償に金持ちのリボウスキを訪ねるのですが・・・というのが冒頭です。
どこまでも巻き込まれ、策は裏目に、そしてしょっちゅう無様な目に遭いながらも、何処か『突き抜けている』デュードの可笑しさ、ストーりィの練られ具合、キャスティングの妙に、映像の面白さ!
出演陣の豪華さも凄いです。スティーブ・ブシェーミにジュリアン・ムーアにフィリップ・シーモア・ホフマン!それにジョン・グッドマンにジョン・タトゥーロ!おまけに主役はジェフ・ブリッジス!!どの役もこの人しか考えられないですし、いちいち可笑しい場面があって笑えます。ニヒリストというキャラもイカシてますが、これってジュネ&キャロの「デリカテッセン」の地底人をどうしても想像してしまいます、なんとなくコーエン兄弟が好きそうな映画でありキャラクターだと思うのですが。
笑いたい方に、ジェフ・ブリッジスが好きな方に、オススメ致します。