テレンス・マリック監督 ウォルトディズニーピクチャーズ
テレンス・マリック監督作品として以前見たのが「シン・レッド・ライン」、とても面白かったですし、何より映像が凄かったので、DVDで見たのですが、これは映画館で観なければ!という想いがあったので、見今回は!と思い観に行きました。
注意!!!
ストーリィは私の思い込みです、勝手な解釈であることを先に記しておきたいです、いかようにも取れるような自由さがあります!
1950年代(と、思われる)アメリカのある家族(父、母、息子3人の5人家族)の日常と、宇宙誕生から現在まで連綿と続く生命の繋がりと、そしてキリスト教的世界解釈(特にヨブ記的な。冒頭にもヨブ記が引用されていました)を映像で理解させるような神秘的な『何か』が映し出されているかのような映像を絡めています。父であるオブライエン(ブラッド・ピット)は仕事も家庭も大事にする敬虔なキリスト教信者でもあるのですが、音楽家になれなかったという不満を心に抱えており、自身の尺度に家族を合わせようとしています。母はそれに従いつつ、出来うる限り受け止めようとするもののその軋轢に徐々に距離を隔て、長男であるジャックは父の期待に応えられないプレッシャーから鬱屈とした毎日を送っていて、そんな日常を、壮年になって社会的に成功していると思われるジャック(ショーン・ペン)が想い馳せている、というように見えました。
見ることでしか伝えきれない光の加減と美しさと、そして何だか理解出来ないけれど『何か』が映っているかのような映像を、美しくも何処か物悲しい音楽に乗せて見せることでの効果は素晴らしいものがあり、特に自然光の元での映像は心奪われる瞬間が多かったと思います。
が、少し尺として長いという印象は否めませんでした。また、どうしてもキリスト教的な何かを知らない為の解釈の出来ない不満感のようなものも残っています。意味不明とは思いませんし、個人的解釈もあるにはありますがネタバレになってしまいます。どうしてもちょっと長いと思わずにはいられませんでした。
個人的には終盤の、波打ち際での様々な人々の邂逅と夕陽のシーン、そしてある扉を抜けてカメラの視線が非常に低く保たれたまま母の背後から日の光に向かうシーンは素晴らしかったと、映画館で観て良かったと思いました。
キリスト教的宗教的背景がある方に、テレンス・マリック監督作品が好きな方にオススメ致します。