宮崎 駿監督 ブエナビスタ・ホームエンターテイメント
昨日の続きです。
ただ、「ゲド戦記」やはり宮崎 吾朗監督作品、そこで続けて駿作品が見たいので未見だった「崖の上のポニョ」を見ました。
海の中で実験をしているかのような不可思議な男が所有する潜水艦から『家出』した金魚のような魚の女の子が、浜辺に住む5歳の男の子「ソースケ」と出会う物語です。
もうご存知の方多いと思いますが、特にストーリィに変わった点は無いと思います。完全に子供向けの作品ですし、それでも大人の観賞に耐えうる作品だと思います。個人的には宮崎 駿監督の「まんが日本昔ばなし」だと思って見ました。波の、水の描写、物語の飛躍の大きさ、演出でも、現代の駿版「まんが日本昔ばなし」だと思います。そういう意味で初めて見るのに懐かしいです。
物語としては主人公であるソースケやポニョと同年齢の人の為の物語であり、あれこれいろいろありますけれど、それを言っても仕方ないです。しかし現実とファンタジーの混ざり具合と言いますか、リアリティの問題として(そんな、問題誰も気にして観てないでしょうけれども、またそんなこと問題にさせなくするチカラが)同様の作品である「となりのトトロ」と比べても見劣りがしますし、もう少し創り込んでも良かったのではないか?とは思います。トトロには現実と空想の境目の説得力がありましたけれど、ポニョには無い分、昔ばなし風、という形態を取るしかなかったのではないか?と。だからこその水や波の描写なのではないか?と思います。宮崎 駿作品は「水」の見せ方はとても上手いと思いますし、水を使った演出も流石(ちょっと思い出すだけでも「カリオストロ」のルパンの城への侵入部分や結末のローマ遺跡の出現など)ですし、今回も街が水の中に沈んだ後の情景は非常に効果的だったと思います。見たことの無い風景で良かったです。ただ、キャラクターとして聖なる母、という像があまりに便利に使われてしまうと、ちょっと個人的には唸ってしまいます。
ただ、全く分からなかったんですが、凄く変な科学者風の男のキャラクターはなかなか面白いですし、その声を演じていた所 ジョージさん、上手いと思いました。飄々とした狂気に駆られる男!なんかいいです。その声でよりリアリティを感じられました。このキャラクターだけでもっと面白いストーリィが出来そうですね。
小さなお子さんと一緒に映画を見る方、「まんが日本昔ばなし」が懐かしい方にオススメします。
また、明日に続きます。