今年も参加してきました、ふれあいコンサート。
私が参加している立川8中のOBブラスバンドの活動です。このバンドは当時の吹奏楽をご指導いただいた深沢先生と一緒に、OBの方々が集まって活動していますが、面白いことに幹部や部長などがまったくいない、非常にゆるくともそれぞれ分担を自ら引き受けて行っているところが素晴らしいと思います、地域にも密着していますしね。
何より、メンバーが足りない部分もありますが、そういうところを、OBの知り合い(私はこのパターンです)や、息子さんや娘さんが参加していて、そこのところもほんわかしたバンドだと思います。
このチラシも久しぶりです。
本番直前が1番緊張します。
今回もソロを吹かせていただいたのにもかかわらず、相変わらず満足できる演奏ではありませんでした、本当に毎回思いますが、次回こそ!、と思うのですけれど・・・
そして、打ち上げです!毎回この打ち上げが楽しいんですね!
立川8中OBの皆様、今回も参加させていただき、ありがとうございました!
ナ・ホンジン監督 クロックワークス
「チェイサー」があまりに面白かったので観てきました!
中国の北朝鮮と接する地域に延辺朝鮮族自治州があり、その生活は非常に厳しく、さらに中国人に迫害までは行きませんが目に見えない程度の差別う受けています。そこでタクシー運転手をして生活するグナム(ハ・ジョンウン【チェイサーでの猟奇殺人者役】)は生活が貧しく、妻を韓国に出稼ぎに出すためにブローカーに多額の借金をしたのですが、2年経って妻からの連絡は途絶えてしまった事で自暴自棄的な生活に陥り、麻雀で生活費さえ摩ってしまう毎日です。そんなグナムに接触してきた、同じ朝鮮族であるミョン(キム・ユンソク【チェイサーでの元刑事役】)が仕事を依頼してきます。それは・・・というのが冒頭です。
いや~すさまじくハードな映画でした。謎が謎を呼ぶ展開ですし、先が見えないことこの上ないのですが、それよりも何より映画のスピードの速さが強烈でした。今まで味わったことが無い速さです。基本的にはアクション作品はあまり見ないですし詳しくもないですけれど、この速さはちょっと無いと思います。
その見せ方も特徴があって、カメラは暗い部分が多く、しかも揺れることでの臨場感が大きく、こういう作品が好きな方にはタマラナイのではないか?と思います。構成も変わっていて、各章に分かれており、起承転結のごとく4つです。巻き込まれ方としても秀逸なやり方であると感じました。
が、私は「チェイサー」のような謎と巻き込まれ、そこに絡む人間模様のような映画(もちろん好みの問題でしょうけれど)を期待して行ったので少し肩透かしを食らったように感じました。どちらかと言えば、「チェイサー」の動的な部分をより特化した映画だと言えると思います。もっと勢いだけでない演出や、シナリオの練り方があると思うのです、ちょっと良く分からない部分も多いですし。しかし勢いは特別に強いです。
あと、あまり痛いのが好きじゃない方は、覚悟して見た方が良いと思います、かなり痛そうなシーン、多いです。ショッキング映像もありますし。
アクション映画が好きな方にオススメ致します。
半藤 一利編集 文春新書
これまで、太平洋戦争については良く分からないことがあり(呼称としても個人的には今のところ「太平洋戦争」を使用したいと考えております)ますが、もちろん東京裁判についても、漠然とした知識からだけでも、非常に強引な、裁判という形式を取った『何か』なんだろうと認識しております。東京裁判の矛盾点や認識の相違、もしくははっきりとした歪みについては、様々な媒体で反論、検証されるべきでしょうし、議論はあって良いと思います。が、しかし、何よりも、戦時中の、しかも責任ある方々を含む存命者がその時の状況を語り、自らどのような判断に従った結果、このような惨状を招いた、という検証が、日本人自らの手でなされないことに疑問を感じていました。が、この座談会の本を書店で見かけて早速購入しました。なかなか凄いメンバーが揃って(一部後から挿入されているようです)いますね。こういう考察こそが、必要だったのではないか?それを行わずして東京裁判の強権的、公平感の無い部分を突いても説得力に欠けるのではないか?と常々思っていたので、この本の存在に非常にびっくり致しました。でも、もちろんもっと多彩で多様な検証が必要だと思いますが、既にかなりの方が鬼籍に入られており、その時期を逸してしまっていると思います。そういう意味では戦後はきっとこれからも続くのではないか?と感じてしまいます。検証や証言をもっと集めて大まかな見解だけでも出しておいたほうが良かったと思うのです。それが区切りに出来る『何か』だったのではないか?と本書を読んで感じました。
戦争時代に様々な場所に居た実際の人々、それは軍部の中央に在籍されていた方から、政治の中心におられた方、さらに刑務所内にいた方、一兵卒だった方、捕虜になっていた方、ジャーナリズムに携わっていた方、一般市民の方、外交関係の方、本当に様々な方々が、割合忌憚無い自身の言葉で語られる座談会です、どこの何に問題が潜んでいたのか、あるいはその当時を知らない人がどれだけ俯瞰出来るか?ということに役立つ資料だと思います。
陸軍大臣であった阿南惟幾、そしてその遺言である復員の手配を成し遂げるという偉業をされた荒尾興功の覚悟や努力は並大抵のものではないと思います。特にその自死を遂げ暴発やクーデター、そしてテロを収めた阿南の凄さも光りますが、おそらくもっとキツイであろう生き忍んでまでも阿南の意思を継いで実行した荒尾さんの姿は非常に感銘を受けました。
また、それと同じよう感銘を受けるのが、大岡 昇平であったり、今村 均の存在です。それぞれの覚悟の見せ方があり、懸命な『何か』を背負っていると感じられました。
そして、本当にその当時の日本は追い詰められていて尚、混乱に混乱を重ねていたのだという事が、これだけでも分かります。そしてこの座談会に於いて、それぞれの人々が、少しでも後世の役にたてて欲しいと思っていること、誰か特定の個人の責を求めているわけではないが、しかし、何処に問題のかけ始めや修正すべき点があったのか?を受け手に考えさせる余地を残して話されるのが印象深かったです。
敗戦時のことが気になる方にオススメ致します。
法月 綸太郎著 角川文庫
本格ミステリ大賞を取った作品、最近出た「キングを探せ」を読んで法月 綸太郎著法月 綸太郎シリーズの中で唯一(だと思いますが・・・)読んでいなかった長編を読みたくなったので。やはり名探偵という存在は面白くもきわどい存在ですね。その辺の機微を上手く操るのが法月さんの真骨頂だと思います、もちろんミステリのトリックの扱いもそうですが。
著名な彫刻家が病死し、その遺作である彫刻の首が切り落とされる事件が起ります。彫刻家の弟であり翻訳家であり、さらに法月 綸太郎の友人でも川島から捜査を依頼されたことから、その彫刻家の娘であり、しかも遺作のモデルでもある江知佳の身辺を気をつける法月ですが・・・というのが冒頭です。
まず、普通は事件が起り、探偵や警察を必要とする状況になるのですが、この作品ではそうではありません。その過程が面白く、また様々な伏線が貼られていて、そのどれもが非常に丁寧なため、伏線とわかり難い部分さえ多々見受けられました。が、実際にその伏線が回収されていくカタルシスはちょっと無いくらいのレベルの高さと多さであり、この本のボリュームにも頷けてしまいます。ですが、このボリュームや伏線の多さについて躊躇われる読者もいるのではないか?とは想像しました。
例えば少し前の島田 荘司著の御手洗 潔シリーズ(それにしても「占星術殺人事件」と「異邦の騎士」は本当に素晴らしい作品だと思います、ココで言う作品は「眩暈」や「アトポス」辺りの作品90年代辺りでしょうか?)で言えば、推理にも、また伏線にもならない部分で、過去の描写やストーリィを差し込んでくることでのボリュームが増えるのではない形での長さなので、その分面白いというか、周到と言えると思います。
そして、探偵という存在に必要な「事件」を起こしどう関わらせるか?という部分の繊細さが法月さんの真骨頂だと個人的には感じていますので、法月さんらしかったとも言える作品だと思います。
とてもロジカルであることに突き抜けた作品に興味のある方にオススメ致します。
しかし、個人的には、ロジカルな部分は良いのですが、いくらなんでも、という部分も多いと感じましたし、整い過ぎていて余計な感じがしてしまいました。細部に拘って伏線にすることでのカタルシスは十分理解できますけれど、やりすぎると興ざめしてしまいかねないと思うのです。推理小説の難しさは、まるで殺される為のキャラクターの存在をどう説得力持たせるか、だと思いますので、あまり伏線貼りすぎるのもいかがなものか?と個人的には感じました。
エドガー・ライト監督 ユニバーサル・ピクチャー・ジャパン
「宇宙人ポール」、「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」のサイモン・ペッグとニック・フロストコンビ、そして監督も「ホット・ファズ」のエドガー・ライトの作品です。もう凄く面白かった!「ショーン・オブ・ザ・デッド」と「ホット・ファズ」と「宇宙人ポール」はDVD買ってもイイ!と思えるくらい良かったです。この監督、役者絡みの映画は必ず劇場に行こうと思いました。イギリスのテレビドラマでもこのコンビ(トリオ?)でやっている「SPACED 俺たちルームシェアリング」というドラマもあるそうで、それもチェックしてみたい!日本のドラマだとキャスティングの段階で興味がなかなか沸かないですし、なんとなく、ですが、主人公とヒロインが結ばれる話し、のパターンばかりのように感じられて結末が見える感じですけれど、海外ドラマは極端にお金のかけ方やこだわりがあるように感じられます。そんなに詳しくないですけれど。予算的にどのくらい開きがあるのか知りませんが、海外ドラマで1番好きな作品と言えば私にとっては「ツイン・ピークス」です。
割合メンドクサイことが嫌いな冴えない男ショーン(サイモン・ペッグ)には、いつも同じ面子で飲む仲間と彼女がいます。彼女のリズはいつもと同じパブ・ウィンチェスターで会うことに嫌気が差してます。ルームメイトで親友のエド(ニック・フロスト)はニートで極端な男ですが、何処か憎めず、それを理由にショーンも変わり映えしない毎日を送っているのですが・・・というのが冒頭です。
ゾンビ映画はたくさんあるのでしょう。私はあまりホラー作品が好きではないので、正直この作品にも手を出すのが躊躇されたんですが、ゾンビ映画でもあり、しかしコメディでもある、という稀有な作品です。ゾンビ、というと噛み付きなどの身体接触によって感染して蔓延、話したりコミュニケートできない状態で、のろのろ歩きながら、生きている人間を襲う、というのが特徴だと思います。そのゾンビたちが主人公たちを襲うのですが、こののろのろ感が怖さの基でもあり、しかし微妙に可笑しくもあるわけです。漫画家楳図かずおの言葉で言い回しは忘れましたけれど、「近視的であればホラー、遠視的にはコミカル」というのがあったと思いますが、その言葉を上手く表現出来ている映画だと思いました。
役者であるサイモン・ペッグとニック・フロストのコンビの素晴らしさもさることながら、そのキャラクターがかなり違ったものであっても自然に見える演技力にも、この非日常を飲み込ませるだけのチカラがあったと思いますし、構成も脚本も素晴らしく練られていて、面白いです。だからこそ、コメディでもあり、シリアスな場面でも説得されてしまうのです。よく考えるとアレ?という部分を飲み込ませる世界観を作り上げているのが、演技力、練られた脚本、テンポ良い編集、そして音楽というミックス具合(まさに映画的!)が絶妙だと思います。尚且つ、この作品は、ホラーであり、コメディであり、サスペンスでもある、という非常に難しいバランスが要求されるのに、その都度それぞれシリアスに、コミカルに、緊張感ある演技であり、映像に仕上がっていると思います。この作品に関わった方々、映画が好きなんだなぁ、というのが受け手である観客に伝わってきて素晴らしいと感じました。
また、このトリオであるサイモン・ペッグ、ニック・フロスト、エドガー・ライトの作品は非常に選曲が素晴らしいのも特徴だと思います。今まで聞いた中で1番すんなり乗れて聞こえたQeenでした、笑いましたし、この曲が好きになりました。そんなにQeenの曲好きになったことないんですけれど。でも選曲は本当に素晴らしいですし、どの曲もなるほど、と頷かされますし、なんと言っていいのか、1度本当に好きで聞きまくった挙句消化された感じの選曲だと思うのです。
そしてネタバレちょっとだけありますけれど、このラストの展開好きです。まさか~という展開なんですが個人的にはナンセンスを裏返すようで好きです。あと、ゾンビに紛れる、というのも最高でした、演技指導がイイです。
ゾンビ映画が好きな方、単純に笑える作品が好きな方、そして映画が好きな人が好きな方に、オススメ致します!