ロマン・ポランスキー監督 ソニー・ピクチャーズ
予告編を見て気になったのと、ジュディ・フォスターとケイト・ウィンスレットが出ていて、しかも登場人物が4人であり、室内劇であるのが興味惹かれました。
子供同士の喧嘩にあたり、当事者ではなくその両親が和解を目指し、被害者宅であるロングストリート家に集まっています。被害少年の母であるペネロペ(ジュディ・フォスター)とその夫であり金物屋であるマイケル(ジョン・C・ライリー)はフランクな感じを出して来客である加害少年の母ナンシー(ケイト・ウィンスレット)と弁護士であるアラン(クリストフ・ヴァルツ)を迎えようとしているのですが、会話も弾みません。それでも何とか形を取り繕おうとしていると・・・というのが冒頭です。
このキャスティングがある意味絶妙でして、男性陣はほとんど知らない方なんですがマイケル役のジョン・C・ライリーは「ギルバート・グレイプ」に出演しているようで、全然覚えてないです、が、「ギルバート・グレイプ」は結構好きな映画です。とにかく主演2人の女性、ジュディ・フォスターの役が、どこかしら実際のジュディ・フォスターの悪い部分のイメージを助長させたようなキャラクターで、しかもケイト・ウィンスレットもやはり同じようにパブリックなイメージのわざわざ暗部を誇張したかのようなキャラクターで、それだけでもう笑わせてくれます。
理想家に見えるペネロペ(ジュディ・フォスター)とマイケル夫妻の、対照的に結果主義的に見えるナンシー(ケイト・ウィンスレット)とアラン夫妻の、結末に至るまでの変容が、実に見事で、それぞれの立ち居地がかなり変化していて、しかしその実かなり自分の底を透かしてみせる見せ方がとても上手くて面白かったです。脚本、練られてますね!素晴らしい!
また、散々やりあう「おとな」とオープニングとエンディングでの「こども」のやり方の対比も面白かったです。
私は日比谷のシャンテで観たのですが、客層がこの映画を物語っていて、ほとんど熟年層の方々。しかも微妙に、男性と女性で笑うポイントが違う部分が面白かったです、劇場で映画を観るってこういうところが面白いですね。
おとな、な皆様にオススメ致します、カップルで行くと話題は尽きないかもしれません!