阿佐田 哲也著 角川文庫
風雲編からの続きです、そう東京に坊や哲が帰ってきます。青春編から数年が経過していますので、多少東京も様変わりしていて、それでもバイニンたちは麻雀で生きています、生活ではない、生きるという単純な行為を行っているのです。しかし古臭いやり方、坊や哲の知るやり方は何処でも食べていきにくくなり、それだけ麻雀が大衆の中に浸透していった結果なんでしょうけれど、難しくなり、そんな時に・・・というのが冒頭です。
戦後の社会の成長が認められ、麻雀という賭博が娯楽になり、そのせいもあって徐々に賭博が、バイニンが生きる事が難しくなる世界で、それでも妥協点を探し、ある意味一匹狼をやめてまでいく様に、社会の変化の度合いの早さを感じます。そしてそこに馴染んでいけない人間も、もちろんいますし、だからこそのあがきだと思います。
それでも坊や哲やドサ健、そしてあの息子の登場など、やはりキャラクターが多彩であり、どの人物も一家言ある打ち手、バイニンであり、玄人とは少し違う、生きていること、こそに意味を見出し、その生きる糧の全てを麻雀に注ぎ込んでいる男(というよりもココは漢とかいてオトコと読ませるタイプのおとこ)たちの世界の、そしてある意味終着点を見せ付けてくれます。
まだ、番外編が残っているのものの、この最後の場面で、ロンドのように閉じた展開になる上手さは素晴らしく、また読ませるチカラのある作品です。
エンターテイメント性の高い、しかしある世界を如実に描いたピカレスクロマンの結末、オススメです。
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