井の頭歯科

「パリ愛してるぜ~」を読みました

2012年5月29日 (火) 09:01

じゃんぽ~る西著      飛鳥新社

何気なく手にとったいわゆるエッセイ漫画。エッセイ漫画のブームはかなり続いていることを確認しますね。私が知ったのはけらえいこ著の「セキララ結婚生活」辺りだったような?伊東 理佐著の「やっちまったよ一戸建て」で完全にハマりました(それ以外にも西原 理恵子作品はかなりの確立でエッセイ漫画ですし、意外に面白かった安野 モヨコ著「監督不行届」、川原 泉著「事象の地平」もエッセイ漫画と言えなくも無いと思います)が、何気に身辺雑記をありのままを出されるとつまらないということもあり、徐々に手に取らなくなっていったのですが、この本はそれなりに面白かったです。やはりフランスなんて行ったことがないですし、知らないだけに楽しかったのかも知れません。

著者である漫画家じゃんぽ~る西さんがフランス滞在中に出会った非常に男目線での様々な文化のギャップを、面白おかしく紹介してくれます。文化大国と呼ばれるフランスを、一介の日本人男性が素朴に描いているんですが、やはり日本文化がどのように映っているのか?とか、勝手な日本側の思い込みのような部分との、それぞれのギャップが面白いです。

男目線ですから、当然女性関係の部分、特にイタリア人男性(世界のナンパ師!はどうも本当のようですが、私個人はそうではないイタリア人を知ってます)と日本男性とフランス男性(ここでは日本女性から見た理想の男性と、じゃんぽ~る氏の友人であるフランス人とのギャップも面白い)の違いが出てきて、凄く面白いです。じゃんぽ~る氏のモテない事、共感できます。また海外にいる日本女性が『海外に出なくて済むから案外○○(オチなので伏せました~)が多い』という発言の説得力(本当かどうかが私は海外に出た経験が無いのでわかりません・・・)はすさまじいものがありました、納得。美人というかオリエンタルと言うものへの憧れ、というのが何となく見えて面白かったです。ビズという習慣も、なるほど、という目線の低さがあってよかったです。

また、日本文化が輸出されている!と強く感じさせる親日家の存在、そして言及される佐田啓二や小津安二郎作品なんかもなかなか面白い切り口で批評されていて魅せるのですが、それよりももっと大きな影響があるのが漫画、アニメ文化なんですね。ジャパンエクスポの存在も知らなかったですし、一般人までもがドラゴンボールや高橋留美子作品を知っている、ということを知らなかったです。アニメ作品、相当海外でも受け入れられているみたいですね。その辺の描き方も結構良かったですが、某かの連載の為なのか?2ページで1話題というのが、ちょっともったいないと感じました、せめて6ページくらいでやって欲しいです。

また、フランスでの住宅事情(ホントに底辺だと思いますが)、もちろん有名なパリオペラ座(世界最高峰のバレエ団)の話し(バレエに詳しくない人が最高峰を見るとどうなるのか?や、その場にいた紳士淑女の方々への冷静な目が最高!)、かなり面白いです。しかしマッツ・エックの「ベルナルダの家」は観てみたい作品です、その当時はエトワールのマニュエル・ルグリが出演していたはずですし、映画「パリオペラ座のすべて」(フレデリック・ワイズマン監督)でもチラリと映像が観られるんですが、非常に斬新な感じがしましたので。

フランスに行った事ある人にも、フランスに行った事無い人にも、オススメ致します。

合同消防訓練!

2012年5月25日 (金) 08:56

先日、東急裏の広場で合同の消防訓練がありました。

災害はいつやってくるかわかりませんし、備えあれば憂い無し、でもあります。最低限の事かも知れませんが、やるべきことをやっておきたいです。

地震体験できる車両も来ていましたが、震度7の揺れはもの凄いです!これはまず 何も出来ないでしょうね・・・

そして、AED(自動体外式除細動器)の訓練も受けてきました。最新式は音声でガイドがあって、非常にありがたく誰でも使いやすいと感じました、ただその時はかなり緊張するでしょうけれども、その時が何時であってもおかしくない事を考慮して訓練して慣らしておくべきなんですね。

大変為になりました、消防隊員の方々お疲れ様でした。私もこの井の頭歯科の防災管理者としてがんばります!

「ドライブ」を観ました

2012年5月22日 (火) 09:13
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ニコラス・ウィンディング・レフン監督         クロックワークス

ニコラス・ウィンディング・レフン監督作、初めてでしたが強烈な印象残しました。しかも同い年の監督!デンマーク出身、覚えましたよ。

男(ライアン・ゴズリング)は超絶テクニックを持つドライバーでいわゆる「逃がし屋」です。泥棒とは1度だけ組んで仕事をし、ピストルなどの武器は持たず、犯行現場で5分だけ待ち、必ず犯行者を逃がすことで報酬を受けています。ほとんど誰とも関わらず、言葉少なに生きている男が、同じアパートに住むアイリーン(キャリー・マリガン)を密かに想いはじめるますが・・・というのが冒頭です。

個人的には非常に革新的であり、斬新な光の使い方、音楽との兼ね合い、映像のアングルの新しさ、個人的スタイルが出来上がっているような作品で、それも非常にロマンティックな出来栄えであり、素晴らしいと感じました。まさにこれはロマンスの映画であり、余韻もあって個人的には観ておいて良かったと思ってます。

キャスティングも結構気に入ってまして、あの「ブルー・バレンタイン」のライアン・ゴズリングがカッコイイ!クールなヒーローであり、しかし何処かコミュニケーション能力の低い為の、口下手の為の純真さがあるという2面性がイイです。そして「わたしを離さないで」のキャリー・マリガンが非常に可愛い人を演じています。流される系の可憐さが良かったです。また、個人的に好きな俳優さん、「薔薇の名前」の異端僧、そしてジャン=ピエール・ジュネ&マイク・キャロ監督作品「ロスト・チルドレン」のワン役のロン・パールマンも出てきて良かったです。

映像はクリア過ぎないクリアさであり、静止画のような革新的な構図を変えずに、光源を動かすことで影が動くという動きに、エモーショナルな音楽を画期的に被せることでの、ロマンティシズムの見せ方、感銘受けました。恐らく好みは分かれるでしょうけれど、私個人は好きな映画です。個人的に見た中で最も近い驚きは「ディック・トレイシー」を見た時の衝撃でしょうか?あくまで映像のショックとして、ですけれど。

ストーリィは非常に単純極まりない、どこにでもあるメロドラマなんですが、ロマンティックな雰囲気と、非常に過激な残虐シーンとの対比の面白さ、そしてまさに特徴的映像美と被せてくる音楽、という映画体験そのものが個性的な作品でした。光と影の使い方がロマンティックなニコラス・ウィンディング・レフン監督、なんか残虐性の淡々とした描き方が「ヒストリエ」の岩明 均さんの作品のドライさに似ていると感じました。

新しい映像美、それもどちらかと言えばロマンティシズムに興味のある方にオススメします。

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学校検診とジャズフェス

2012年5月21日 (月) 09:13

先週の木曜日に、ピンチヒッターで大野田小学校の検診のお手伝いに行ってきました。

大野田小学校は非常に生徒が多い、という事しか知らなかったのですが(私は同じ地区でも、武蔵野第一小学校の卒業なので)、凄くモダンな学校でした!ちょっと小学校には見えない(外観も、そして中の教室も!)建物でして、非常に驚きました。

生徒数も今でも相対的には多いそうなんですが、やはり少子化の波がこの学校でも押し寄せていまして、以前と比べたらかなり減っているようです。

しかし、子どものむし歯はかなり減っていると思います。これは歯医者の指導が徹底されてきた事や、行政側の周知、そして何より親御さんの介入も大きな要因だと思います。素晴らしい事ですし、難しい用語を使うとDMFT指数(むし歯になって放置している歯、むし歯になって抜いた歯、むし歯を治療した【ということは、かつてむし歯であった】歯などを含んだ歯と、健康な歯との割合を示す指数です、日本は素晴らしいんです!)が良いこと実感しました。

そして昨日は友人が参加しているNEW GLORIA SWING ORCHESTRAの演奏を楽しんできました。

池袋、なかなか行かないところです。個人的にはジュンク堂に用事がないと、なかなか行かないので、土地勘がまったくありません。

演奏はかなり楽しめましたし、この会場では隣にステージがあり、交互に様々なバンドが演奏するスタイルでした。私のお目当てのNEW GLORIA SWING ORCHESTRAの演奏前には併設ステージで、何故か?「バービーボーイズ」という古いツインボーカルのコピーバンドが演奏していて、それなりに上手なんですが、ジャズフェスを期待していったのでびっくりしました。その後もAORのコピーバンド「GP☆ALL STARS」も上手かったですし、やはりビッグバンドでオリジナルの曲まで演奏した、しかも司会が結構良かったThe Majestic Jazz Orchestra TOKYOもまとまったバンドだったと思います。堪能しましたし、良い息抜きができました。

ジャズだけではなかったですが、それも面白かったです、おそらくホーンセクションがあればどんなバンドでも参加できるのではないか?と思いました。そんなゆるさも面白いですよね。

「緘黙 -五百頭病院特命ファイルー」を読みました

2012年5月18日 (金) 08:47

春日 武彦著     新潮文庫

あの!精神科医春日 武彦さんが書いた、それも精神科を舞台にした小説!これは読まずにいられません!内容がまた、非常に春日 武彦臭の強い、良い意味でも悪い意味でも好き嫌いの分かれる作品かもしれません。が個人的には非常に面白く読みました。当然ながら、既に続編が気になります。

東京から多少離れた新幹線停車駅がある程度の田舎の町にある五百頭病院に15年間完全に無言でいる(ずっと無言でいる状態を「緘黙(カンモク)」という)患者新実が入院してきます。結構ないわく付きの患者ではありますが、五百頭病院の病院長(一癖あり)からの直々のご使命で精神科医津森が担当医となり治療にあたるのですが・・・というのが冒頭です。

まず、導入の不穏な感じが、強く読者を引き込み、その上割合感情移入しやすい(春日先生からするとステレオタイプでありながらも多少ともそこからズレる部分を挟みながら)キャラクターたちを魅せ、そしてこの「緘黙」男新実の素性がまた胡散臭く、しかしこの「緘黙」の原因を推理して真相が知りたくなる、というフックも強い仕組みになっていて、かなりグイグイと引き込まれました。大きな主題である「緘黙」の謎を追いながらも様々な事柄が差し込まれ、その辺が妙にリアリティある小噺にもなっているというのも面白いです。春日先生臭(なんか悪い表記に見えますけれど、強く惹かれていますし、もちろん良い意味で使ってます)が相当濃く表れています。

主要3人の登場人物の分かり易いとっかかりは出しながらも、しかしそれだけでないキャラクターの奥域の出し方、その感じさせ方が、まさに春日先生だと思いました。

そして当然ながらも「緘黙」者である新実のキャラクターが秀逸。謎解き部分の2重3重底のこの「どうしようもなさ」に現実との地続き感が醸しだされていて、個人的にはヤラレマシタ。

あの、と言っていいと思いますが、春日先生の小説ですから、当然素直な話しじゃないのは織り込み済みですが、読後の感想としては、もう唸るばかりでした。現実味ある、しかしそれだけではない虚構と言いますか、こうであったら、という部分を差し込みつつ、しかし「そうは言っても現実って得てしてこうういうものだよね・・・」的な展開に唸らされました。小説だからこそのカタルシスを安易に求める人には向かないかもしれませんけれど、春日先生の本を某か読んでいらっしゃる方であるならば、またその中に面白いと思わせる本があった方ならば、強くまたは、この日常の中の生活や暮らしの中で見出されるキッチュな出来事の意味を考えさせられるという確認作業が好きな方にオススメしたい1冊です。

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