井の頭歯科

「コクリコ坂から」を見ました

2012年12月4日 (火) 08:47

宮崎 吾朗監督       東映

なんだか急に字幕ではない映画が見たくなったので見ました。ジブリ作品は久しぶりです。ジブリ作品、と言うか宮崎 駿作品の面白さはもはや刷り込みレベルなので(もちろん好き嫌いの濃淡はありますけれど、どの作品も名作とは言えないけれど!)定番で安心して見られます。例え監督が息子であろうと、あの宮崎キャラクターが動けばある程度許してしまう部分です。「未来少年コナン」~「ハウス名作劇場」~「ルパン三世 カリオストロの城」から見てるとそうなってしまいますね・・・

酷評されている「ゲド戦記」(の感想はこちら)は私は原作を読んでいないので絡みが分からないですけれど、たしかに物語の終息には唐突な感じを受けましたが、そんなに悪くないと思いました。宮崎 駿監督の息子で映画監督を同じスタジオでやる、ってだけで充分凄いと思いますけれどね。ただ、アーシェラ・K・ル=グインの原作ファンはかなりコアなファンでしょうから、ネガティブな感触があってもおかしくないとは思います。私は「闇の左手」しか読んだことがないのですが、独特のSFですからね。

舞台は横浜、時代は1963年、来年には東京でオリンピックが開かれようとしています。坂の上の屋敷で家事を一手に引き受けながらも高校へと通う松崎 海(通称メル)は、毎朝の日課として屋敷前のポールに旗を捧げています。通学に父親のタグボートで高校に通う同級生の風間 俊はカルチェラタンと呼ばれる文化系部室の乱立する古い建物の取り壊しを防ごうと活動する学生です。カルチェラタンには特に思い入れのなかった海ですが、ある催しから風間と知り合い・・・というのが冒頭です。

この作品を私は面白く見ましたけれど、この面白さの半分以上はノスタルジーであり、私の世代(1970年生まれ)では知りえない世界であるにも関わらずノスタルジーを感じさせ、違和感を覚えさせず、しかも面白く纏めるのは充分凄いと感じました。例えば筋書きだけを説明されたら、登場人物の関係を知らされたら、難度も繰り返されているモチーフを扱ったものでありますし、目耳を引く衝撃的展開や仕掛け、あるいは伏線といったものはほぼ皆無です。が、それでも見せるという意味で素晴らしいと感じました。

再発見は主題歌を歌う手嶌 葵さんのウィスパーボイスも良かったんですが、ベタに坂本さんの「上を向いて歩こう」は名曲なんだ、と痛感しました。

文化系の様々な活動をしている部室の集まりカルチェラタンの建物としての面白さ、綺麗にする前の面白さに特に惹かれました。いろいろ熱い人ばっかりだったんでしょうけれど、今現在だと暑苦しいことこの上ないんでしょうけれど、暑苦しさと頑固さとが同居しつつ、礼儀を今よりも重んじる、という事が既にノスタルジーなんでしょうけれど、だからこその清々しさもあるわけで、そこが面白かったです。カタルシスは無いんですけれどね。

声優さんの岡田さんはやはり結構イイなと思いました、長澤さんも悪くないですが。

ジブリ作品が好きな方にオススメ致します。

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