井の頭歯科

「ジャンゴ 繋がれざる者」を観ました

2013年3月22日 (金) 09:09

クエンティン・タランティーノ監督     ソニーピクチャーズ

タランティーノ最新作!ということで観に行きました。前情報は出来るだけ入れないで観に行ったのですが、想像以上にいろいろな意味で突き抜けた作品でしたね・・・

南北戦争開戦の直前の、アメリカ南部の何処か。奴隷として売られ鎖に繋がれ、裸で素足のまま歩かされている黒人を率いた奴隷商人の一行に近づいてくる馬車に乗った歯科医キング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)。キングは奴隷の一人であるジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を今この場で売ってくれと頼むのですが・・・というのが冒頭です。

西部劇、ということですし、やはりタランティーノ作品ですから、脚本や構成、お得意のカットバックというのでしょうか?編集で前後の話を逆にして見せたり効果的な「パルプ・フィクション」や「レザボア・ドッグス」での演出も冴えていてとにかく飽きさせない作りこみが、まさに映画マニアの映画監督、という感じで面白かったです。いろいろなオマージュやらなにやら一杯あるみたいですが、私は全然分からなかったです。でも普通に楽しめました。

そして役者さんの演技も素晴らしく、特に目をひかれるのがキング・シュルツを演じたクリストフ・ヴァルツ!!凄く好きなキャラクターです!上手いし面白いし、そして最後まで貫き通す信念が良かったです。もう一人良かったのがレオナルド・ディカプリオ!悪役がとても、とても合ってたと思います。特にまるでこの地方の王であるかのような地位に生まれつきつきながらも、何もかもに飽きて贅沢を極め、且つくだらない虚栄心を満たすべく、しかし努力をすることを嫌うどうしようもない男、キャンディを演じているんですが、まさにはまり役ではないかと感じました。ある学問(と呼べないシロモノなんですが)を論じながら自らのレイシストぶりを発露する様は、悪に染まっている男のどうしようもなさと同時に何かしらの人を従える吸引力のようなものさえ醸し出していて、素晴らしかったです。本当にいたとしたら、怖すぎるんですが。

と、良い所も多いんですが、正直、イヤな所も多くありまして。もちろんネタバレは無しですけれど・・・

あくまで個人的な意見ですが、悪を撃つ爽快感、というようなモノに違和感の無い方は問題ないと思いますが、そのための悪が必要以上に残忍な為に、結構な嫌悪感がありました。特にダルタニアンの件は、ちょっと夢に出てきそうな感じで、ショッキングでした。もしかすると現実はもっとヒドイのかもしれませんし、人の残虐性は私の知らないような鋭さを持っているかも知れないですし、そういう私にも残虐性が発露するようなシュチエーションが訪れるかもしれないんですが、今回の映画としてはへヴィだったと思います。

また、最後の一展開が、確かにキング・シュルツからの師弟関係を受け継いだ証明するものだとしても、ちょっと都合良く展開しすぎるとは思いました。だからこそ、多分タランティーノが出てきてるんでしょうけれど。

西部劇が好きな方に、残虐描写に多少なりとも耐性のある方にオススメ致します。

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