「アルフォンソ・キュアロン監督 ワーナー・ブラザース
話題作なので、情報は閉ざしつつも、IMAXで観てきました。大興奮というか、まさに宇宙にいる感じの体感映画でした。基本的には映画の進化が3Dでなければならない、とも考えませんが、それでもこの映画は映画の進化を感じさせる映画体験でした。
宇宙空間でハッブル望遠鏡を修理している宇宙飛行士で船外作業を行っているライアン・ストーン(サンドラ・ブロック)とコワルスキー(ジョージ・クルーニー)は、何もない空間である宇宙の無重力の中で仕事をしています。そこにNASAからの通信があり、とてつもない事故が起こった事を知らされます。緊急避難する2人は・・・というのが冒頭です。
予告編で既に事故映像が流れているわけですが、これがとてつもなくクリアで綺麗な映像、しかも非常に長回しでカットが少なく、それでいてどこで区切りがつくのか分からない、一息つけない状態を意図的に作り出すことで、より一層の恐怖感を煽られます。
本当に一体どうやって撮影したんでしょうか?今となってはそこが最も気になります。
私は基本的に考えさせられる映画が好みですし、脚本の面白さを、映画の面白さの最も重要な基準に置いてしまう傾向が強いんですが、この映画はなかなかの映像体験、といいますかほとんどアトラクションのような、まさに宇宙を体感させる映像でした。冒頭い非常に長い1カットの映像があるんですが、ここで私は激しく酔いました・・・
これ以上長く酔わせる演出や、カット割りの無い時間が続くと間違いなく気分が悪くなり過ぎて映画に集中出来ない、というギリギリのポイントまで引っ張られた感じがしました。あと少し長かったら本当に映画見れなくなってたかも、です。それくらいアトラクション度が高いです。
でも、ただ単にアトラクション度が高いだけではない計算の聡さがある映像だと思います。とても静かな滑り出しから、警告を入れた上でのデブリの雨、シャトルすべてを含んだ破壊、その上で急に画面が乱れ、宇宙でのカメラの撮影者までもが被害に合っているかのような臨場感、そしてストーン博士の孤独感を高める演出の数々。そのどれもが張り詰めた緊張感を持ち、これ以上引っ張る事が出来ないくらい極限まで引っ張られて、カットが切られるまでは、おそらく様々に計算されての、意図的な映像なんだと思います。IMAXシアターに観に行って本当に良かったです。
ジョージ・クルーニーの目の演技も素晴らしかったです。
宇宙に興味のある方にオススメ致します。