リチャード・リンクレイター監督 コロンビア
今年の初めに「ビフォア・ミッドナイト」という3作目映画がやっていましたので、この映画を見るために3部作を見ております。その1作目がこの「ビフォア・サンライズ 恋人たちのディスタンス」です。
ジュリー・デルピーさん、好きな女優さんです。レオン・カラックス監督の「汚れた血」を見てみんなジュリエット・ビノッシュが好きになるらしいんですが、私は断然ジュリー・デルピー派です。
恋愛モノの3部作(もしかすると続編あるかも)の最初の作品ですし、気になってて手が出せなかったのですが、最新作「ビフォア・ミッドナイト」が素晴らしいという噂をききつけ、手を出しました。
ジェシー(イーサン・ホーク)はアメリカ人で旅行者です、電車でウィーンに向かっています。セリーヌ(ジュリー・デルピー)は同じ電車に乗り合わせたフランス人で、パリに向かっています。そんな別々の2人の前で、中年のドイツ人夫婦が些細なキッカケで口論を始め・・・というのが冒頭です。
非常にロマンティックな一夜を描いた作品でして、ほぼ登場人物は2人だけの会話劇であるのに、飽きさせません。瑞々しい、とはこういうことだよね、というくらいの事を思い出させてくれます。若い、というのはそれだけで価値がある、とまでは申しませんが、ノスタルジックな印象、あるいはそういうことを経験した、という事実を思い出させてくれる事に価値を見出す人が多いのかも知れません。
とにかく、非常にロマンティックで会話の妙がイイです。知り合ったばかりの男女の会話を通して、どのように関係性が変化してゆくのか?を見るのはなかなかじれったくも、清々しくもあり、奇妙な感覚に陥ります。
良かったのは、喫茶店で目の前の相手に、架空の人物を模して電話するシーンです、こんな気の利いた事をイーサン・ホークやジュリー・デルピーにされたらそれぞれ相手に傾倒してしまいますよね。
恋愛劇に、会話劇に興味のある方にオススメ致します。