井の頭歯科

第38回PFF(ピア・フィルム・フェスティバル)に行きました

2016年9月16日 (金) 10:27

いろいろ忙しいのですが、合間を縫って第38回ピア・フィルム・フェスティバルに行ってきました!

PFF出身監督を何人も知っている訳ではありませんが、PFFという単語を知ったのは誰かにオススメして頂いた「二十歳の微熱」橋口 亮輔監督作品が面白かったからです。そして「運命じゃない人」内田 けんじ監督作品がとても好みの作風だったのと、何と言っても知り合いが出演している!という事で観に行きました!

で、3作品を観たのですが、自主映画をちゃんとスクリーンで観たのは初めてです。そしてどの作品もかなりイイと思いましたし、それぞれ、こういう風にしたい、という意気込みが感じられたんですが、ひいき目じゃなく、あまりに脚本と演出が好みだったのが知り合いが出ていた「また一緒に寝ようね」 首藤 凛監督作品でした。

社会人3年目のOLみなみさんは荻野さんと同棲中。でもその荻野さんはある事から天井にびっしりろコウモリが張り付いているように見えるようになってしまって働けません。彼女の日常は何処か少し変。その変なところを、女性の感覚で見せてくれます。彼女の周りでは、少しだけ現実が歪んでいるようで、何処か変なのに、ちょっと笑えて、少し不思議で、そして急にハッと息をのませます。

こんな不思議で攻めた作風を見るのは久しぶりでした。まだ若いのに、既にスタイルが出来上がっているように感じました。ポップでアバンギャルドでパンクな世界。金井美恵子著「小春日和」を2016年にバージョンアップしたかのように感じる世界、「アメリ」のジャン・ピエール・ジュネ監督のように可愛らしい部分もあって、とても良かったです。漫画でいったら岡崎京子なんですよ!ガーリーな世界(←表現が古くて申し訳ない・・・)をアップデートしている、と感じさせてくれます。何処か気怠く冷めているようで、しかし、もがいてもいる、狂気さえうっすらと滲ませる、2016年のリアルを感じます。

主演の女の子の表情、そのちょっと変わった感受性を表す演出も、なかなかびっくりさせられます。特に最初の喫茶店のシーンでもう捕まれます。音楽も良かったですし、服装からもいろいろ感じさせられます。7年目の人の部屋の狂気を感じさせるいろいろ、特に机に足かせをしている部分に恐怖を感じたり、いろいろ芸が細かくて、もう1度チェックしたい!ちゃぶ台!この監督いくつなんだよ?と思わせます。何度か差し込まれる回想シーン、なんでだろ、シュール過ぎて笑えて来ます!そして何と言っても食べるに関連するシーンの見せ方、作り方、咀嚼音、良かったです。

みなみさんの思わずこぼれるセリフ、最後にマンション前でつぶやかれるんですが、良かったです。

言葉では表しにくい事を映画的な表現で見せられると気持ちが上がります。

首藤 凛さんの監督作品、是非また観たいと思いました。というか次回作は既に撮影が始まってて、これは絶対観に行かねば!と思いました。次回作のタイトルも秀逸で「なっちゃんはまだ新宿」です。なんかすっごくいろんな変な事が起こりそうで、今から楽しみです。今作を主演された方も出演するみたいですし、とても楽しみ!

上映後に本当にちょっとだけですが、首藤監督にサインをいただき、お話し出来まして、これがまた非常に若くて容姿端麗。おじさんからすると若いだけでも眩しいのですが、さらに才能があって、言葉も巧みで、丁寧に接して頂き、ありがたかったです。この年齢でしか汲み取れない感覚がある、というのは理解出来ますけど、それを映画的に表現して、そこに既にスタイルとして完成している!と感じさせるのって凄い事だと感じました。

作品って何でもそうですが、性別も年齢も関係ない、たしかにそうですよね。でも早熟である、というのは結構驚きがあり価値があるように感じます。これからが楽しみ。

あ、知り合いの人も演技初めてとは言ってましたが、すごく良かったです。ヨーグルトのシーンは最高でした!

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