井の頭歯科

「セッション」を見ました。

2017年1月13日 (金) 09:47

デミアン・チャゼル監督     ギャガ

ジャズを扱った映画ですし、ずっと興味があったんですが、今頃になって観ました。

これは音楽のジャズを扱った映画ですが、スポ根モノ映画だと思います。

賛否両論なのは分かりますが、それにしてもちょっと音楽の描写は低く…こんなぬ偏った表現は珍しいですが、だからこそスマッシュヒットしたのかも。

歴史に名を残すようなドラマーになりたい、と強く願うニーマン。バティ・リッチのような技巧的かつテクニカルなドラマーを目指しています。そこで有名な音楽大学に進学し、猛練習に励んでいます。音楽大学の有名な教師であるフレッチャーに見いだされたい、と強く願い、彼のビッグバンドに加入したいのですが・・・というのが冒頭です。

ドラムに焦点が当たっている映画って少ないと思いますが、良かった部分と、それはいくらなんでも、な部分の入り混じった作品だと思います。

基本的にはスポ根モノが好きな方にオススメします。

アテンション・プリーズ!今回はネタバレ有の感想ですので、既に観られた方に読んでいただけたらと思います。

まず、自動車事故を起こして演奏させるのはちょっと。まあ非常識だからこそ音楽に賭ける意気込みを表しているのでしょう、帰省した場面で語られりバードのくだりもそうなのでしょう。が、チャーリー・パーカーが評価されたのは音楽であり、生き方ではないですし、教育としても間違っていると感じました。

また、誰しもスパルタ的な教育を受けた事は多少はあると思いますが、特に楽器の経験がある人は理解出来ると思いますが、その裏側に愛情があるからついていけるのだと思います。スポーツでも同じだと感じますし、楽器もスポーツも私は経験があります。

フレッチャーの負の側面を、アンドリューが話したか?多分ここが肝で、私は話していないと感じました。何故ならアンドリューもフレッチャーと同じ考え方をする人間だからです。まあ、フレッチャーに負け、自分にも負けたわけですが(演奏出来なかった、事故を起こした事含めて自分の責任)、しかし考え方はフレッチャーと同じなので、考え方を否定してはいないと思いますし、彼のプライドが許さなかったと思う。もし、話していたなら、フレッチャーに誘われノコノコ舞台に上がらないでしょう。

話していないなら、アンドリューはフレッチャーと同じ側の人間である事を認めているわけですし、だからこそ舞台に上がるわけです。その上でのフレッチャーの仕打ちな訳で、そこに打ち勝つ為に舞台に再度上がるのですが、だからと言ってドラムアドリブソロで見返そうとするのは映画的な表現としてはアリかもですが、音楽表現としては…自分のスタイルを確立し、それが認められて初めて評価されるのだと思います。
それにもっと凄いドラムアドリブソロはいっぱいありますしね。生だと衝撃も大きいと思います。
でも映画としてなら楽しめました。頑張れアンドリュー、という気持ちになりました(昔高校生の頃、同じようにビックバンドに所属していまして、熱血的なコーチに指導を受けた事を思い出します、いつも怒られりから、ついたアダ名が 避雷針 …)。

フレッチャーの言う『だからジャズが進歩も評価もされない、流行らない』と言う趣旨の発言がありますが、いや、ちゃんと理解される人にはされてるし、進歩もしてるから!フレッチャーの認める世界ではそうなのかも知れないが、だとするとフレッチャーが1番ジャズを馬鹿にしてるし、進歩を認められてないのでは?とは思います。多分ここが1番この映画に乗れなかった部分です・・・

でも、観てる時はそこそこ、アンドリュー頑張れ、なんですけど。

で、この監督の次回作「ラ・ラ・ランド」がとても楽しみだったので見たのですが、うーん、少々期待値が下がってしまいましたが、ライアン・ゴズリングも出てますし、劇場に観に行きたい!

そして今月に公開される「沈黙」マーティン・スコセッシ監督が早く観たいです!

原作を読んでいます(の感想はこちら随分前ですが・・・)が、凄く気になる映画です。

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