ミッシェル・ゴンドリー監督 スタジオカナル
知り合いの方が「青春はいちどだけ」について言及していたので、急にフリッパーズ・ギターを凄く久しぶりに聞いたのですが、その時たまたま目にしたのがこの映画のジャケットでして、これがすごくフリッパーズ・ギターの1stアルバムを彷彿とさせる感じで、手に取りました。
ダニエルはフランスに住む14歳、背が低い事にコンプレックスがあり、見た目が女の子っぽくて悩んでいます。そこに変わり者の機械好きな転校生テオがやってきて・・・というのが冒頭です。
フランスの男子2人組のひと夏の経験を描いた作品なんですが、久しぶりにこういう作品を観ました。心がささくれ立っていたら斜に構えてみていたかもしれませんが、フリッパーズのおかげでPVを観ているような感覚で素直に見る事が出来ました。
14歳の男子の考えている事をリアルに、そしてコミカルに描いています。そして、後で振り返った時にこそ光輝く、そんな瞬間を閉じ込めた作品です。
主演2人の、今だけ、の美しさがとにかくとびっきり良かったです。ツッコミどころはそれこそたくさんあるのですが、それを飲み込ませる、もっと見たいと思わせる丁寧な仕上がりで、素敵です。
日本語が分かると妙なドキドキ感が味わえるヘアカットシーン(ヘアカット100~バスルームで髪を切る100の方法!)を経ての、サムライカットも笑えましたし、途中で出てくるとある職業の男性の妙な親切に対する彼らの行動もチャーミング!
久しぶりに見たオドレィ・アメリ・トトゥも良かったです。
あ、アメフトシーン、あれはヒドイよ・・・もう少し何とか出来たはずだけど・・・
中学2年生だった頃がある人に、オススメ致します、そしてもちろんフリッパーズ・ギターが好きな方に(特に1st)オススメ致します。
高橋 昌一郎著 光文社新書
久しぶりに本を読みました。
非常に論理的な高橋先生の本は大変読みやすい対話形式である事が多いですが、この本もそうです。以前読んだ「限界シリーズ」も面白かったですが、1番良かったのは「哲学ディベート<倫理>を<論理>する」(の感想はこちら)です。ですが、読みやすいだけでなく、非常に深い話しで面白かったです。
今回はオカルトについて、です。最近耳にするオルタナティブファクトとかを聞いていると、本当にオカルトだなぁ、と思います。ヒッピー文化からニューエイジに流れていく先へのオリエンタリズムを含んだオカルトだと認識していますが、そのオカルトについて高橋先生が書かれたわけで、大変タイムリーな本だと思いました。
人はいかにオカルトに嵌りやすいか?を実例を挙げて説明してくれます。奇術師ハリー・フーディーニとコナン・ドイルの話しは有名ですが、一つ一つ丁寧に語られていて順を追って解説してくれていて面白いです。今でいうスピリチュアル、ですね。簡単にこういう事を信じられるのが人間なんだなぁ、と気を付けると同時に、人ってかなりあやふやな、ゆらぎのある存在なんだと思います。コナン・ドイルなんて論理的なミステリを書きつつも、簡単にオカルト信者になってしまうなんて、知っていてもビックリです。
また小保方論争、STAP論争についても分かり易く説明してくれます。この事件はあまり注目していなかったので、もう少し見ておけば良かったと後悔しています。私も最初は信じちゃっていたでしょうが。
でも、やはり人は見たいものしか見ない、という傾向がある事を、私もとくにそういう傾向が強いので、注意したいです。
オカルト、といういわゆるまやかし、ウソ、幻想に興味のある方にオススメ致します。