ロマン・ポランスキー監督 コンプトンフィルムズ
評判を聞いて手に取ったのですが、いや、流石ロマン・ポランスキー監督です。
ポランスキー監督作の中かなり初期だと思います、何しろカトリーヌ・ドヌーヴがメチャ若くて物凄く美しいです。ポランスキー監督作品だと演劇を映画化した「おとなのけんか」(の感想は こちら )が好きな作品ですけど、「ゴーストライター」(の感想は こちら )もすごくイギリス!って感じで好きです。
映画を見ていて思い出したのは1996年の映画「ワンダーウォール」ジョー・マソット監督作品です。「ワンダーウォール」非常にサイケ寄りだし、ジェーン・バーキンはさらに完成度の高い美人ですよね。ジョージ・ハリスンが音楽で関わっているので見ましたけど、これもなかなか素敵な作品です。
ただ、この映画「反撥」のカトリーヌ・ドヌーヴの美人は、本人が持て余すタイプの美人、として描かれています。それでも非常に美しいですけど、だからと言って美人が楽でお得、というわけではない事を十二分に理解させてくれます。
ロンドンに姉と暮らすキャロル(カトリーヌ・ドヌーヴ)は気分が塞ぎがちです。原因は姉に彼が出来た事のように感じますが、自分でも何が明確に嫌なのか説明出来ません。しかも姉と彼はイタリアに旅行に行く事になり…というのが冒頭です。
美貌の持ち主ではあるキャロルが、自分の美貌を持て余し、内向的で、男性に対する恐怖がある事が徐々に理解していく、そのジワジワ感が素晴らしいです。
また、キャロルの映画内現実、キャロルの映画内妄想がだんだんと溶解して行く恐怖は、ちょっと時代を考えると恐ろしく上手いです。
ヒビ、というモチーフの上手さも特筆に値します、ホントに怖いし、建物が壊れたのか、心が壊れたのかが重なってより恐ろしいです。
襲われる、というシーンの恐怖、絶対的筋力、体力、チカラで抵抗出来ないで、自分の身体を傷付けられる恐怖が、しかも何時起こるか分からない恐怖を、圧倒的な映像で見せてくれます。
ただし、若干音には配慮されてますが。
そういえばこの映画に出てくる「うさぎ」があの有名な「イレイザーヘッド」(デビッド・リンチ監督作)のアレの元ネタなんですね、知らなかったです。
反撥、タイトルはrepulsionはどちらかと言えば私は 「嫌悪」 とする方がより伝わりやすいとは思いますね。
サイコサスペンスが好きな方にオススメ致します。