ジョン・キャロル・リンチ監督
すっごく、ハリー・ディーン・スタントンありきな作品ですけど、悪くないです!!すっごく良かったって言いたいです!
とにかく、ハリー・ディーン・スタントンに所縁のある人物がたくさん出てきますし、ラストにかかる曲も凄いですよ~ファンソングみたいになってます。
でも、そういういろいろ細かな接待は良いとして(もちろん楽しいですよね)、ありき、だとしても、それなりに楽しめる作品に、クオリティーとしても悪くないように出来上がっています。
だいたい頑固爺さんの出てくる場合のキャラクター造形ってそれほど幅広い物ではありませんから、様々な作品との類似性を指摘する人も多いと思いますが、その点でハリー・ディーン・スタントンありきな点が逆に深みを出していると思います。
だってハリー・ディーン・スタントン本人が、歌って、ハーモニカも吹いてくれるんですよ!
動きも独特の歩き方ですし、そういうの観てるだけで微笑ましく映ります、映画界で生きてきた年季が違う説得力があるんです。
だからハリー・ディーン・スタントンを観た事がある方ならだいたい楽しめると思います、私が見た中で印象に残ってるのはやはりヴェンダースの「パリ、テキサス」とリドリー・スコット「エイリアン」とハワード・ジーフ監督の「プライベート・ベンジャミン」でしょうか。本当にたくさんの作品に関わって、たくさんの監督に好かれた役者だと思います。
とりあえず、一人で生まれて一人で死んでくのは前提の上で、だからこそ微笑んでいよう、とまで思わせてくれるのが凄く良かったです。
安直じゃない落としどころまで持ってってるのが良かったです、空(くう)とかオリエンタリズムに走らないのも良かったし、何と言ってもラスト前のバーのシーンで結局はたばこに火をつけるのが最高でした。
過去にハリー・ディーン・スタントンが出演している映画を見た事がある方、永遠には生きられない事を理解している方に、オススメ致します。決して暗い映画ではないです、暗い映画も大好きですけど。