スティーブン・スピルバーグ監督 ワーナーブラザーズ
とっても楽しめる映画です、たしかに日本文化、40代くらいを対象にした映画ですけれど、子どもから大人まで楽しめるエンターテイメント映画に仕上がっているのは流石のスピルバーグ映画です。この映画を子どものときに映画館で観たから、映画関係の仕事に付きたくなりました!と、後世の若手が言うであろう事が予想出来る作品です。
スピルバーグが関わっている映画の中で似ていると感じたのは「グーニーズ」ですね。
と諸手を挙げて良い作品なんですけれど、まぁいろいろ思うところあり、ネタバレありでの感想になります。
アテンション・プリーズ!
ここからネタバレありの感想になります。映画鑑賞してない方はご遠慮ください。とは言え、いろいろネタバレを含んだ予告編をどんどん解禁、しかも日本だけ、という宣伝の仕方には違和感を覚えますね。映画の中で知りたくなるのが普通だと思いますけど。
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うん、非常に楽しかった、と観てる間は感じました!
40代オーバー接待、日本文化接待が感じられる作品なのに、全体的に良いバランスに仕上がっていますし、観ている間の情報量が多いので、考える隙が無いのも、初見としては正解なのかな?と感じました。
音楽のチョイスもど定番で、割合軽めなんですけど、万人向けにするならアリなのかな。
良かったのは、まず私にとっての1番はサイモン・ペッグが出演していた事!!!全く知らなかったので、非常に驚きましたし、存在感がたまらないし、サイモン・ペッグらしい配役!わざわざメイクが必要なのに、このキャスティングがもう有り難い!と感じてしまいました。本当にびっくりしたし嬉しかったです。
次いでまさかのシャイニング!あのホテル!双子!血の海!までサイコーでした!が、あのゾンビはちょっと・・・でも、声がちょっと漏れるくらいに驚きました。わお、って言っちゃいました、小声で。有名な原作者キングが、巨匠キューブリックに対してあいつは恐怖を分かってない、とまで言わしめた逸話がエピソードに挟まれるのも個人的には本当に楽しくなる瞬間です。
さらに相棒エイチとのバディ感覚が良かったです。あまり主人公のパーシヴァルが好きになれなかったんですが、エイチとのバディ感はとても良かったし、しかも中身が女性だったってのもアガる要素です、だってアルテミスの中身に言及しているのがエイチなんですから。そこはかとなく、友情≒愛情的な部分を感じられるのも良かった。もちろんハリウッド作品だからなのか、スピルバーグ作品だからなのか?は不明だけど、まあ主人公とヒロインがくっ付くのは予定調和としても、その影にエイチがいる深みが感じられて良かったです。
さらにスピルバーグ作品ならお馴染だけど、バスの中でのVR世界の危ない!とその外からリアルに車が危ない!という多重関係が、分かっちゃいるけど、手に汗握ってしまう展開だと思います。さらに全体のバランスの良さ、さすがですし、この作品を仕上げたのも凄い(の、合間にペンタゴン・ペーパーまで作ってるのが・当方未見ですが・本当に凄いです)。
また、リアルに帰ってきた、と思わせるのは凄く上手いと思ったし、入れ子構造はサイコーですよね!ちょっとバレるのが早い気はしますけれど。
と、観てる間は非常に気分がアガるんですが、何かモヤモヤした気持ちがあるのも事実。
確かにいろいろなキャラクターが出てくるけど、どうしてもチラリとだけだし、必然生が薄くて、意味が感じられなかったです。版権を通すの、とても大変だったと思います。でも、だからこそ、もう少し意味のあるキャラクターの出番が欲しいと感じました。80年代の何かを出しておけばみなさん楽しめるでしょ、という安易さを感じなくもないんです・・・例えば、ガンダムを出したい!のは理解出来るし、良い場面だとも思うんですが、あのビームライフルの音が聞こえていたらもっと良かったのに!とか思ってしまうんです。
バス内の釣りギミックはまだ良かったんだけど、最初の全方位ロードランナー的なガジェットがなんかダサい…もう少し上手く出来なかったのかな…
いくらなんでもハリデーが万能過ぎるし、その性格からして、記念館とかアーカイブなんて作らないんじゃないかな…キャスティングは良かったと思うし、何となくスピルバーグが自分を重ねてるんじゃないかな?悪く言い過ぎな感じもするけど…
あと、どう好意的に解釈しても、街中でVRゴーグルかけてオアシス内に入るのって死にに行くようなものなんじゃ…安全な室内じよないと出来ませんよね。
メカゴジラを出してくれてありがたいですよ、基本的にはありがたいんですが、コレじゃない感が凄い・・・ゴジラじゃなくてメカゴジラなのはどうしてなんでしょう?人が乗れる可能性がありそうだからでしょうか?
そりゃ日系人が出てるのは有り難いけど、忍者と侍ですか、まあそうですよね・・・でも海外の方からは忍者も侍も好まれてはいると思いますが、日本だとそこまででも無い気がします。
あとね、アルテミスのリアル、全然美人じゃないですか!なんかもう少し大きなハンデが欲しいですよね。
延滞金を背負った者が行く強制労働施設ですが、そこもVRだなんてちょっと理解不能ですし、やってる労働が全然大変そうじゃ無いのでとても飲み込みづらいです・・・
あくまで謎を解くようでいて、ハリデーカルトクイズになっちゃってるのが、実は1番残念。ハリデーオタクの度合いを競うのはなんか違和感や矮小化を感じてしまいます・・・もっと大きく80年代カルチャーへの謎が欲しかったですね、とは言え当時は80年代カルチャーをジャンクの時代と呼んでたと記憶していますけれどね。今となってはそれも奇麗に見えるなんと言いますか大変ノスタルジックなベールがかかると奇麗に見えてしまうんですよね。
とかいろいろ思うけど、楽しめたのは事実だし、非常に作ってくれてありがとう作品である事は間違いないです。
でもスピルバーグ本人はあんまり80年代カルチャーに思い入れがあるわけじゃない感じがしてしまいましたね。原作読んでないので何とも言えませんけど。
日本文化に興味のある方に、80年代カルチャーに興味のある方に、オススメ致します。