ブライアン・シンガー監督 20世紀フォックス
大変話題になっている映画、英国バンドのQEENを扱った、という事になっていますが、まぁヴォーカルのフレディ・マーキュリーの自伝的映画です。
如何にしてQEENになり、フレディがどのように生きたか、を描いた作品です。
伝記映画ですので、結構端折りますし、あまりな事実はオミットされてますけど、なんの伝記映画でもそうですけど、初心者入門としては悪くない映画だと思います。音量気にせずにQEENの曲がたくさん聞けるだけでも楽しいです。有名な振付士のジョージ・バランシンが言った言葉ですけれど『バレエ作品が面白くなかったら目を閉じて音楽を聴いていればいい、それだけでも素晴らしいのだから』という趣旨の発言を思い出してしまいます。
私はそんなにQEENに思い入れが強いわけではありませんが、ライブエイドは見てますし、知ってる曲もいろいろありますけれど、とってもみなさん似てますし、楽しめる作品だと思います。もちろん、思い入れの強い人は、結構怒る人がいても不思議ではないと思います。なんといってもフレディを演じるのはとても難しい事ですし、似せる、というのは結局偽物であるのですし。
この辺が伝記映画の難しいところで、だったら当時の本人映像を流して欲しい、という意見が必ず出てくると思います。でも伝記映画ってそもそもそういうモノなんですよね。だから、仕方ないと思います。でも似せる、に寄せているので、フレディ役の人の喋り方、すっごく気になりました。職業柄なんですけど、何か遺物を口の中に入れているような喋り方に聞こえるんです。私はそれほどフレディ本人の前歯は気になりませんけどね・・・
楽曲は、大変素晴らしいですし、フレディという人物のパーソナリティとしての趣味趣向は理解できるようになっています。この映画で興味を持った人がより詳しく知りたくなったら調べたり聞いたりすればそれでイイと思います。多分本物には勝てないと思いますので。この映画も制作者側はそれが分かってるので、ちゃんと最後に白旗を振っている感じになってます。出来ればライブエイドの場面は当時の映像を見ていただいた方が良いと思います。
詳細は知りませんけど、多分ライブエイドの頃にフレディが病気の事は知らないと思いますし、映画のクライマックスをとあるシーンにするためのエモーショナルな作りが気になる人には気になる作りになってますけど、それも伝記映画には付き物でしょう。
あと、ライブエイドの目的をもう少し説明してくれても良かったんじゃないかな、とは思います。ここに集まった人々はもちろんライブも観たかったと思いますけど、チャリティーに行ってるんですよね。
もちろん観ている時はそんなに気にならずに、結構楽しく見てますし、面白かったです。
QEENをよく知らない方、QEENに詳しくないけど曲が好きな方に(QEENを愛してる人だと、ちょっと難しいかも・・・)にオススメします。
でも、このライブはやはりイイです。
後半のウェンブリーが埋め尽くされて、そして手で再び埋め尽くされているのを見ると、音楽の持つチカラを再確認してしまいます。本当にスゴイ。