K・S・ラディクマール監督 ポニーキャニオン
昨年見たインド映画「バーフバリ」(の感想は こちら )、その衝撃があまりに、あまりな体験だったので、今年は「インド映画強化年間」として、出来るだけインド映画の私の中の空白を埋めていきたいと思います。そんな事を思っていたところ、親しい友人が、それならばコレを見ないと!とDVDを貸してくれました、ありがとうございます。軽い気持ちで見始めたら、あっという間でしたが世間では3時間以上の時間が経過していた模様です・・・結構長いのがインド映画の特徴なんですね。まさに歌って踊れる映画体験ですし、とにかく豪華絢爛です。
地主であるラージャ(この人、すっごく知的な印象を受けて、その雰囲気がこのDVDを貸してくれた人を思い起こさせます!)に仕える使用人のムトゥ(ラジニカーント)は大変性格も明るく、人の中心に自然になってしまう男です。信頼に値する男なのですが、地主の母はラージャがなかなか結婚してくれない事に不満を募らせています。ラージャは芝居や演劇が大好きで、ムトゥを連れて行くのですが・・・というのが冒頭です。
まず、主人公のムトゥを演じるラジニカーントさんの笑顔が印象に残りまくりです。一見、ただのオジサンにしか見えません。私も一瞬ただのオジサンじゃないか、と思いましたが、これがオープニングを見終わる頃には(多分最初の3分程度ですよ、たったの!)もうスーパースターに、見えますというかスーパースターにしか見えなくなってしまうんです。もうこれは「バーフバリ」じゃないか、と思ってしまいました。輝く白い歯に褐色の肌、割合広めに見える額の大きさ、やや骨太という表現では難しいややぽっちゃり体形、髭も特徴的な、典型的なオジサンなんですよ、一見すると。でも、これがオープニングで、それもただ歌を歌って馬車に乗ってるだけなのに、もうスーパースターになってるんです!!圧倒的な説得力があるんです。マフラーのようなモノを首から下げているんですが(腰に巻いたりもしています、このマフラーのようなものの名称がどうしてもワカラナイ!ネットでもどう検索して良いのか・・・)、これをクルクルっとただ向きを変えているだけ、それだけなのに、物凄いカッコイイんです!でも文字じゃ何にも伝わらないと思いますので、日本語字幕のついたオープニングをご覧ください。
0:39の部分がそのマフラーのシーンなんですが、カッコイイ!まだこの1回だけでは伝わらないかも知れませんが、映画の中で何度も繰り返されるうちに、物凄くカッコ良く見えてきます。音楽も踊りもこのオープニングだけでも大変あげてきますね、本当に凄い。
しかも、この映画、ただのコメディでもなく、ちゃんとしたストーリィもあり、アクションシーンもかなりの工夫が凝らされています。ネタバレになってしまうので言えないのですが、とても「バーフバリ」を思わせる演出やストーリィがあって、本当にびっくりしました。
歌と踊りの豪華絢爛スーパースターの物語、まさにエンターテイメント作品として素晴らしい完成度です。
インド映画に詳しくない人に、是非オススメしたいです。