アンドリュー・ニコル監督 カルチュア・パブリッシャーズ
2019年見逃し後追い作品その2
1 近未来SFが好き
2 出来ればディストピアが考えさせられて好き(現代の風刺含む)
なので気になってました。ただ、むむってのはアマンダ・セイフリッドが絡んでいる事が・・・私、この人、肉感が強すぎるし、圧を感じます。多分初めて観たのが『クロエ』(アトム・エゴヤン監督作品)だったからな気がしますけど。クロエがあまりに、あまりな作品でして、その次に観たのが「レ・ミゼラブル」(の感想は こちら )のコゼットだったので、さらに辛くなってしまいました・・・コゼットには全然合わないと思うんだけど。
でも、見てみないと分からないですし、100分という短さに負けて選びました。
近未来の米国。常時網膜にネットが映し出されるのが当たり前でプライバシーがほぼ消失した世界。視野に入った人、物、にタグが付けられ、広告が浮き上がります。だが、相手の視野を乗っ取った上での殺人事件が起こる。捜査するサル(クライブ・オーウェン)は街中でのすれ違い時にエラー認識されていたanon(エラー)の存在を覚えていて・・・というのが冒頭です。
世界観は悪くない上に、セットや美術が非常にのっぺりとした、コンクリートの打ちっぱなしな感じの世界です。割合好きな近未来描写です。
が、ストーリィが、どうにも飲み込みにくいんです。
Netflixのブラックミラーの中のZ eyeの話しに似ていますが、設定だけで、話しはより極小でチープになっていますし、そこにハードボイルドをまぶしついるのですが、そのまぶし方が大雑把なんです。うなぎにかける山椒なら、山椒でうなぎが見えなくなった状態です。
あと、やっぱそうなります?的なサービスショット(死語)があります・・・
なんとなく製作者側が『みんな待ってたでしょ?観たかったでしょ?』という感覚が透けて見えるのが嫌な気持ちになりました。多分アマンダ・セイフリッドが今ひとつブレイクしきれないのは、簡単に脱ぎ過ぎるんじゃないかな、と愚考します。
しかも、サルの取った行動のおかげ(すっごくささやか!)で、という形でのコミットメントがあるんですけれど、これがすっごく安いんです。多分こういう映画なり漫画なり小説があるから、世の中の考えの浅い男子が勘違いするんだと思います。そんなわけないじゃないか。そして、映画の中でも、そんなわけないじゃないか?と感じると、どんどん醒めていきますね・・・
設定は悪くはないんです、ただ、みんな想像出来る範囲でしか展開しないので、もう少し驚きが欲しいです。
電脳的な未来から、網膜ネットを経た、さらにもう少し先のガジェットかデバイスがないと、絵が持たない気がします、好きな私でも眠くなりました事を白状致します。
またアマンダ・セイフリッドで嫌な感じになってしまいました、全然アマンダ・セイフリッドさんのせいじゃないのに。