ここ3年くらい行っているベスト10です。基本的には2019年に日本(劇場、及び未公開でDVD発売)公開作品の中から、私が観た作品を、私の個人的好みで、選びました。
毎年新作を月に3本観れるといいな、という所から年間36本をノルマにしていますけれど、今年は新作のドラマ1シーズンも1作品としてカウントすると42作品となったので、なんとかノルマ達成です。旧作は38本だったので、まぁ良く観た1年だったと思います。ひとえに、Netflixのおかげです。恐ろしい時代になりました・・・新作が、定額料金で、家に居ながら、観る事が出来る時代、考えていなかったです。後はNetflixに、岡本喜八監督や、長谷川和彦監督作品、それに昭和任侠伝シリーズ、そして日本のドキュメンタリーや、フレデリック・ワイズマンの過去作なんかを取り入れてくれたら最高なんですが、そうするとまた睡眠時間が削られるので、願いながらも叶って欲しくない気持ちもあり、大変アンビバレンツな気持ちになります。
今年の見逃した作品の中で悔やまれるのが「この世界の さらにいくつもの 片隅に」です。また是枝監督の「真実」を見逃してしまったのも、大変悔やまれます。が、それ以外は、出会わなかったべくして出会わなかった作品とも言えると思います。
10位 「スターウォーズ ep9 スカイウォーカーの夜明け」 (の詳しい感想は こちら )
私は肯定派なんです、だって全方位的に満足させるのは、ほぼ無理な作品なんです。前作Ⅷの終わりから後を続けなければいけないわけで、でも、それって自分で作ったⅦの風呂敷をたたむ事でもあって、と、いろいろ考えさせられます。が、とにかく、現実的に、最後のピースを(この後もきっと商魂たくましいディズニーが手元に置いている以上、新作は作られていくとは思いますけれど・・・)埋める作品を作ったわけで、その点を、評価したいんです。そして2019年はSWⅨの年としても位置付けられると思うので。でも、正直、ダメな部分がありすぎる。
9位 「全裸監督」 (の詳しい感想は こちら )
映画じゃないんですが、でも、大変熱量のあるドラマでした。切り口も変わっていますし、役者さんの演技が素晴らしかったです。早く続きを観たい、と思わせるチカラに溢れています。
8位 「ブラック・クランズマン」 (の詳しい感想は こちら )
今年の映画の中でも特に、映画という媒体で出来る事、その手法の面白さ、アジテーションとしての表現をさらに突き詰めている感じが凄く良かったです。スパイク・リーは凄い監督ですよね。
7位 「バーニング 劇場版」 (の詳しい感想は こちら )
特に秀逸だったのがベンというキャラクターです。ベンの事、この映画を観てから、ずっと気になっています。大変恐ろしいですね。村上春樹原作ですけれど、嫌いな人にも受け入れられやすい、入門として(入門しなくていいけど・・・)と思います。
6位 「ギルティ」
ちょっと感想を寝かせてしまい過ぎて書き忘れてしまいましたが、大変変わった映画でした。映画を音だけで演出してみせたのが、凄いです。
緊急通報の電話係をしているアスガーのところには様々な電話がかかってきます。しかし本当に緊急性が高いのか?なかなかどうして分からないケースもあるのですが、ある女性から、ただならぬ雰囲気で、今、まさに誘拐されていると告げられ…というのが冒頭です。
わずか88分の映画なんです。また、絵柄的には2部屋しか出てきません。大変見た目的には地味な映画だと言えます。
が、物凄く計算された、音、の映画だと思います。大変スリリングで、没入度の高い1作だと感じました。
電話を使った新たな表現で、斬新かつストーリィも予測不可能で、素晴らしかったです。
5位 「スパイダーマン:スパイダーバース」 (の詳しい感想は こちら )
大変画期的な、始めてみる止まった絵が動くアニメーション。何を言ってるか全然理解して頂けないとは思いますが、革新的なアニメーションに、さらに日本の声優さんの上手さを感じました。正直、今石洋之監督「プロメア」もかなりとんがった、世界向けの作品だと思いますが、絵柄として、アニメーションとしてはこちらが良かったです。でも、ストーリィの強さはプロメアも世界に出せる映画だと思います。
4位 「カリーナ、恋人の妹」 (の詳しい感想は こちら )
ロシア映画を詳しく知りませんけれど、本当に素晴らしかったですし、すごく夏目漱石の「それから」に近い感じです。それに、アップデートされてますし、凄かった。とにかく好みの話しで、好みの映画です。本当に、この映画の役者さんは素晴らしかった。
3位 「マリッジ ストーリー」 (の詳しい感想は こちら )
この手の話しがそもそも好きな上に、アダム・ドライバーにスカーレット・ヨハンソンなんて、最高ですよね。ある場面で、アダム・ドライバーが歌を歌うんですが、何かを吹っ切るキッカケになる感じを自然に表現されていて、凄く良かったです。ま、正直ダメな男の話しですが、多分ダメじゃない男って存在しないと思います。ダメのグラデーションの中で、もっともダメな部類の私が言うのもなんですが。
2位 「ザ・バニシング 消失」 (の詳しい感想は こちら )
2019年公開ではあるんです、日本では。ですのでルールで言えば合ってるんですけれど、製作は1988年30年前の映画です。それでも、今年観た映画の中では、間違いなくベスト、と言い切りたい作品。何度視聴しても素晴らしいと思います。恐ろしい映画です。普通ならこれが1位なんですけれど。同じような映画としては個人的にはデビッド・フィンチャー監督「ゾディアック」です。
1位 「Once Upon a Time in Hollywood」 (の詳しい感想は こちら )
今年は、私にとって、まさにこの映画が1番心に残りました。観ている間中、終わって欲しくない、と思ってしまいました。出てくる人が、また撮影の苦労を考えると、本当にスゴイ事だと思いますし、タランティーノが、タランティーノらしいのに、それだけでなく上質な映画に仕上げている、さらに成長している事含めて、ずっと、何度も見たくなる映画でした。
今年も終わりますね。来年はオリンピック、個人的には、すごく違和感ありますし、全然興味ありませんが、影響は受けるのか、と思うと暗い気持ちになります。