増村保造監督 大映
ついに入ってしまいました、Amazonprime!映画館がこれだけ閉鎖している時期、というのは大変悲しい事ですが、仕方ないですし、テクノロジーの進化で、家で映画がみられるのは大変喜ばしい事です。
私は全然知らなかった日本映画の巨匠の1人増村保造監督の事を、映画に詳しい友人に教えていただきましたので、まずさらりとした作品から手を出しました。
とにかく予備知識なしでまず観ました。
田舎で祖母と暮らしている有子(若尾文子)は、高校卒業後に東京で暮らす両親の住む家に引っ越す事になるのですが、それはいろいろなしがらみがあり・・・というのが冒頭です。
正直、大変少女漫画的なストーリィが展開されますし、脇のキャラクターも大変紋切型で、そういう意味での新鮮さ、今2020年に感じる新鮮さは、微塵もありません。
しかし、俳優、女優さんんの、その時にしか無い輝きが収められています。非常に新鮮と言えます、特に主演の若尾文子が、です。
この作品は原作あり、です。ですから、原作を変える事がどの程度であったのか?がワカラナイ部分があります。しかし、上映された1957年という当時のリアルではなく、おそらくフィクションとしての映画の中のリアル、という感じだと思います。冒頭から、今では考えられない程の、かなり気恥ずかしい場面がありますが、それも、その当時の人には、それなりの普遍性として、映画内リアリティとして受け入れられていたのだと思います。
まず、何といっても若尾文子の魅力、それが全て、と言ってもイイと思います。そして、その1点を、のみを全面に押し出している作品。そしてそのための演出、と言えると思います。
しかし、それと同時に、その当時の、ある種大衆に向けた、分かり易さ、その純朴さが、まだ通用した時代の、垢抜けなさ、を表しているとも思います。だからこそ、演者が清々しいくらい、今ならまず無理なリアリティラインを、本当に生き生きと演じられていて、その上自然なんですね。
脇で言えば美味しい所はほとんどミヤコ蝶々と魚屋さんが持って行きますね、この2人の間の取り方が素晴らしいです。
しばらく、増村保造監督作品が続きます!
若尾文子が好きな方に、オススメ致します。