パトリシオ・グスマン監督 アップリンク
チリの映画、観た事が無かったと思います。アルゼンチンの映画は、名作「瞳の奥の秘密」(の感想は こちら )をはじめ何本かありますし、ブラジル映画もありますけれど、チリの映画、そしてウルグアイの映画はまだ観てなかったのと、個人的にすごく気になる人たち、という意味でヤーガン族の事が気になっています。写真として残されてもいますし、文献もありますけれど、とても不思議です。何かしらの前衛アート作品のような存在なんです。知ってる人は知っていると思いますが、パタゴニアの先住民族の人々です。
かなりの極寒の地で生活していたとは思えない、裸族なんですけれど、身体に油を塗る事により寒さに対抗するという、現代の人類とは別の進化を遂げた、と思わせる先住民。なんだかいろいろな可能性について考えさせられる存在だと思います。
そもそもチリという国を良く知らなかったので、トリビアルに知識を得る、という事についての面白味と、映像のとにかく美しさ。この2つが異常に良かったです。
もちろんピノチェト独裁政権の事も知らなかったですし、ジェイミー・ボタンなる大変奇妙な人生を送った人の事も知れたのは良かったです。
しかし、途中から、大変、スピリチュアルな思想の話しになってしまい、その部分は乗れませんでした・・・水は記憶を持っているという主張は、誌的な意味で、ポエミーというのであれば、まだ、受け入れられるんですけれど、割合真剣に言ってる感じがして、それはちょっと。
ただ、映像は異常に綺麗で、環境映像としては、素晴らしいです。