井の頭歯科

「愛・アマチュア」を見ました

2021年8月6日 (金) 09:06

ハル・ハートリー監督     ポッシブルフィルムズ

U-NEXTはハル・ハートリー監督作品が7つも見られる大変ありがたいサービスです。処女作である「アンビリーバル・トゥルース」が入ってないのが残念ですけれど、次作の「トラスト・ミー」を吉祥寺アップリンクで観てから気になっていたのですが、ついにU-NEXTデビューしてしまったので、次、その次、と観ています。処女作「アンビリバル・トゥルース」、「トラスト・ミー」、そして「シンプルメン」で3部作となっているようです。なので「アンビリバル・トゥルース」が観れないのが残念ですけれど、3部作の次の作品が、この「愛・アマチュア」です。

地面に仰向けで倒れている男、それを覗き込む女がいます。明らかに石畳ですし、男が呼吸しているのか?も不明なのですが、女は恐る恐る、という感じで助けようという気配を感じない上に、結局走り去ってしまい・・・というのが冒頭です。

これはハル・ハートリー監督の恐らく、主要なテーマ『人のありよう』なんだと思いますが、非常にトリッキーですけれど、結局『人のありよう』の中の最も重要な優しさtendernessを扱った作品だと思います。

多分ハル・ハートリー監督作品はネタバレとかそういう事が重要ではない作品だと思いますけれど、マナーとして避けますが、色々な人が出てくるのですが、かなりの人々に見知らぬ人への親切さ、が全面に出されています。それも、この世界の不条理さという意味では現代でも変わらない厳しい世界なのに、です。当たり前ですけれど、何にでも優しい、という事ではなく、自分のある程度の努力とか手間といった少々の親切心から起こる善意のささやかな波及を扱っていると思います。

ただストーリィは少々映画っぽく感じました、私がみた過去の2作品よりは、という程度ですけれど。そういう意味でかなりアクロバットに『人のありよう』を描いていると思います。

主要人物の中でも、まず、イザベル・ユペールがすっごく可愛いです。そしてとても若い!計算すると41歳のはずなんですけれど、全然40代に見えない・・・30代くらいにしか見えませんし、個人的にこの人のこの髪型がすっごく好きです。役柄もいいですし、何を書いてもポエティックになってしまうなんてセンスが無いと思い付かないと思いますね。

そして、ハル・ハートリー監督の常連役者であるマーティン・ドノヴァンがまたなんかかっこいいんですよね。渋いんじゃない感じですし、何か特徴があるか?と言われても指摘しづらいのですが、雰囲気、としか言いようがない感じです。Wikipedia情報ですけれど、そうか〜TENETで劇中唯一テネットって発言している人物は確かにマーティン・ドノヴァンですね!全然気が付かなかった!!でも、なんかこの人出てくるとハル・ハートリー映画を観ているという感じになります。

それに、前作「シンプルメン」にも出演していたエリナ・レーヴェンソンさんも、そして「シンプルメン」で悲しい警察官を演じていた方も出演されていて、大変悲劇的な役柄ですけれど、すっごく印象に残ります。いいです。この方の名前を調べているんですけれど、今のところ不明です。この2作品には確実に出演しているので、もう少し脚光が当たってもいい気がするのになぁ。

ハル・ハートリー監督、かなり好きになってしまいました。

いつもと違う映画体験を求めている人にオススメします。

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