小沢茂弘監督 東映
千葉真一さんの訃報は、みなもと太郎さんと同日でしたが、私にはみなもと太郎さんの訃報が非常にショッキングで・・・私にとっては千葉真一さんを最初に観たのは、間違いなく斎藤光正監督の「戦国自衛隊」です。非常に強烈なキャラクターとしても、そして、意味不明な(1979年公開です、多分80年代初頭にテレビで見ました10歳くらいでしょうか)暗喩表現の多さにも驚かされた作品ですし、もしかすると最初のタイムスリップモノかも知れません。この時も千葉真一さん、という認識ではなく、その後のご多分に漏れずタランティーノ監督の評価によって知った口です。全然詳しくないのですが、追悼の意味を込めて1本観ようと思って選んだのが、私にはこの作品「激突・殺人券」です。タランティーノで知ったわけで、そういう意味では、コレしかない。
サニー千葉作品はベタベタですが、世界に誇れる日本の映画スターだと思います。
プロフェッショナルの暗殺券の使い手剣琢磨は、お金で頼まれれば「不可能を可能にする男」と呼ばれていて・・・と言うのが冒頭です。
やはり千葉さんの主演作品ですし、凄く子供の頃から、見た人みんながマネするし、いろいろなところで使われている呼吸法みたいないわゆる顔芸が見れる作品です。改めて見ても、なんか凄く、不思議な映画です。
これはやはりこの作品を背負っているのが千葉さんだからだと思います。
とにかく、悪い、強い、涙もある(ラクダ!)、仕事はまっとうする、という非常にストイックな作品ですが、結構負けるというか、上手く演出されている、と今回見て感じました。
本当に顔芸のレパートリーの多さは特筆すべきですし、アクションは本当に凄いです。
それにギミックも凝ってるし、カメラアングルにもかなり拘りを感じました。わずか90分くらいの作品に、敵役詰め込み過ぎ!しかも設定では敵になる兄妹との対決なんですけれど、実のお兄さんでもあったり、不思議な作品です。
追悼のラジオ番組で知りましたが、千葉さんご本人としては、空手の映画はやりたくなかった、というのが意外でした。しかし、この作品が海外で異常な日ッと作になり、サニー千葉をアイコン化させた作品でもあります。
映画のエンディングの切れ味って言うか、恐ろしい切り方をしていて、これ本当に今観ると不思議な作品ですが、人気があるのも良く分かります。
千葉真一さんの皆さんが選ぶ追悼映画作品はなんでしょうか・・・