原田マハ著 新潮社文庫
山田五郎さんのオトナの教養講座を観てから、アートに対して少し俯瞰出来るようになりました。これによってより楽しく美術館に行ける気がしますし、是非いろいろ行きたいのですが、なかなか休みが無いので難しいのですが・・・
2000年の倉敷、大原美術館に勤める早川織絵は監視員です。画家を知るという事はコレクターでもキュレーターでも評論家でも研究科でも敵わない程、作品を観ているのは監視員なのかもしれない、という自負に仕事をしているのですが・・・というのが冒頭です。
この小説は、アンリ・ルソーという画家についてのフィクションでありますが、しかしかなり調べていて、非常に面白いミステリーでもあります。もちろん、アンリ・ルソーに興味が無い人には分かりにくい事も多いかと思いますが、誰でもアンリ・ルソーについて少しでも知る事があれば、気になる画家になる事は、非常に明白だと思います。
この本はアンリ・ルソーをとても、とても神聖視しているとは思いますが、確かに西洋美術史の中で果たした役割は大きいとは思いますが、そこまでか?と聞かれると、私の感覚と今の知識では、ちょっとどうかな?とは思っています。
しかしそんな私でも、非常に面白く読めますし、ぐいぐいと引き込まれます。リーダビリティ高いです。
アートミステリーというジャンルは初めて読んだような気がします。ですが、予備知識がある程度必要な分野だとは思いますが、今後ともこの原田マハさんの小説を読んでみようと思います。
出来ればギュスターヴ・クールベの作品か、もしくはギュスターヴ・モローあるいは、パウル・クレー、逆にダリだったら嬉しいのでそういう作品があるといいな。