井の頭歯科

「史上最強の哲学入門」を読みました

2022年5月17日 (火) 11:12

飲茶 著     河出文庫

哲学者にはずっと興味があります。突き詰めて考える事の面白さって読書の時の頭の中で自分勝手な最高のキャスティングと美術で出来上がる映像のような面白さの上に、全く考えた事も無かった新鮮な驚き(エウレーカ!)まであって、本当に興味深いです。そのキャラクターも非常に富んでいて、樽の中の哲学者ディオゲネスとか、アレクサンドロスⅢ世の家庭教師であったアリストテレス、無知のベールで知られるジョン・ロールズ、悟性のカント、詳しくすべてを把握しているわけではありませんが、考える、という行為を突き詰めていく人に何故か惹かれます。対照的にDon’t Think Feelって言われると、全然感じる事が出来ません。共感が何をもって、なのか言語で示して欲しいし論理を説明して欲しい、とほぼ常に思ってしまいます。まぁそういう人は基本的に嫌われます・・・

この本の紹介は大変分かりやすく、非常に俯瞰的で、今まで苦労してそれぞれの哲学者を捉えようとしてきた人の努力はなんだったのか?と思うくらい、早大に人類史の中での哲学的発展を描いてくれています。とにかく読んで!というくらいの書籍です。

で、それぞれの紹介も素晴らしく、口語調であって分かりやすく、その上とてもフラットで、年代的にも進化や深度がより進んでいく様が理解しやすいです。そもそも、哲学者って師匠が居て、その師匠の考えやあり方を弟子が継承するのですが、その弟子の中でも最も能力の高い人が師匠の考え方をよく学んで、その上で反旗を翻す、というのが特徴なんですけれど、その面白さも十分に理解出来るのも大変興味深いです。

で、それだけでも凄いのですが、この本では大まかに4つ「真理」、「国家」、「神学」、「存在」というカテゴリに分けているのですが、その分け方と、何処で誰をどのような順番で紹介するのか?が最も素晴らしい仕事だと思います。これ、ちょっとかじったくらいの私でもそのまとめ方、紹介の順番を考えるだけでも恐ろしく丁寧で、驚きに満ちていて、死かもわかりやすいんです。ココに驚愕します。

私が好きなのは、やはり無知の知のソクラテス、アリストテレスの中庸、人間にとって真理の到達カント、ルソーの啓蒙とルソーという人物の人格の乖離、フッサールのすべては幻、そういう全部をひっくるめての観察する私のソシュールです。ソシュールはもう少し詳しく調べたくなりました。

ブログカレンダー
2022年5月
« 4月   7月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
アーカイブ
ブログページトップへ
地図
ケータイサイト
井の頭歯科ドクターブログ