カンタン・デュピュー監督 ロングライド 吉祥寺アップリンク
段々と、映画館もレイトショーをやってくれるようになってきました。ので、21時スタートとかなり遅い時間でもやってくれている吉祥寺アップリンクさんに観に行きました。逆に言うこれしか観れる作品が無かったので。
アランとマリーの夫婦が、新しい一軒家に引っ越そうとするのですが、その一軒家には地下室に穴があって・・・というのが冒頭です。
予告編でも流れていますので、舞台設定として大まかですが、説明しますと、
1 アランは50前くらい?男性 マリーも40代女性 の夫婦が引っ越した一軒家には地下室に穴がある
2 穴に入ると、本人に自覚は無いが12時間経過している
3 そして、3日分若返る事が出来る
という設定です。ここに、アランの上司でジュラ―ルとその彼女が主な登場人物です。
この設定をどう生かすか?という脚本の面白さ、練られた面白さを見せて欲しいですし、凄くヘンテコリンな設定なので、飲み込ませるのも難しいですけれど、そこを頑張って欲しい所です。
役者陣はけっこう頑張ってくれていますし、中でも、この4人を凌駕する演技を、おキャットさまが魅せてくれるので、その点ははっきり素晴らしかった、可愛かった、と思います。
シリアスではない、ギャグ、ナンセンス映画なんだから、細かい所には眼をつぶって楽しむべき、という人は楽しめる作品だと思います、私はそういう風にどうしても考えられないので、結構気になりました。
ただ、少しの間映画に集中する事で現実を忘れる事が出来た事や、レイトショーをやってくれている事に感謝したいです。
猫が好きな人、軽い映画で笑いたい人に、オススメ致します。
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想です、未見の方はご注意ください。
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まず、地下室から入ると、屋上のダクトから出てくる、という設定を思いつくのはなかなか素晴らしい。
が、その設定を説明する努力は割合放棄していると思いますし、ここでナンセンスギャグ的な事をする事も出来たと思いますが、まぁそれは1つ目の大きな現実離れした嘘でもあり、この映画の設定ですので、その設定を飲み込んだうえで、面白味を出してくれようとしている訳ですから、まぁいいでしょう。
でも、全然この設定が生かされないのが本当に残念・・・・全然、全く、1mmも生かされてない・・・・
この映画の中で能動的なのは、とにかく若返って人気女優になる、という、凄く平面的な欲望を持つマリーだけなんです・・・・
若くなってちやほやされたい!という割合表明するのに羞恥心を感じるのが一般的な感覚なんじゃないかな?と思われる(フランスではどうなんでしょうね)若さへの単純な思い込みは、まぁいいでしょう、そういう人もいますし。 でも、この人だけなんですよ、アクティブに動いてくれるのは・・・
しかも夫アランは、このマリーをどうにかしよう、という考えも無く、ただ、うろたえる、というだけなんです・・・
割合寒がられる下半身ギャグ担当と言っても良い、ジュラ―ルは日本の技術を称賛しているようで、あまり心地よくはないかも知れないですし、全体的に幼稚、なだけのギャグなんで、そこからの発展が無いんですよね・・・もっと幼稚にするなら、徹底的に幼稚にならないと面白くない、中途半端なんですよね・・・
そして恐ろしい事に監督もその事を理解しているからこそ、物語の後半、結構な尺を使って、数年経過していく場面は、セリフ無し、BGMでごまかし、割合ジャンプカットを用いていて、説明を放棄した、と思います・・・もしかするとプロデューサーの指示があったかも。だってこのテンポで残りの時間を写されたら、多分かなり長く退屈に感じたと思う。 精神科医を訪ねる冒頭と、その不穏感を出しているのに、そこに戻ってきてもあっさり通過するだけ、なんで、どうにも腑に落ちないんですよね。
しかも、何で蟻にしたのか?ま、ハエの子供だと、もっとグロ方向になてしまうからだと思いますが、どうせなら、もう少し尖った笑いを入れた方が良かったんじゃないかな、と思います。
せっかく、12時間経過、3日若返る、という面白い設定なのに、全然生かされてなくて、本当に残念。
ですが、猫は美しく、大きな画面で観られて嬉しかったので、善しとします。