本日の診療で今年の診療を終了しました。
今年は3月にとある総会で本当に心身共に疲れ果て、6月までの任期を何とか終え、11月には指導と激動の1ねんでした・・・まだいろいろ体に疲れが残っていますけれど、何とか体調を崩さずに1年間過ごせました。
その割には、映画館で18本、U-NEXTさんで40本、Netflixさんで23本、AmazonPrimeVideさんで10本、友人から借りたり友人宅シアターなどのDVDで観たのが8本、径99本観れました、あと1本お休みの年内中に観れたら嬉しいです。
その中でも2022年公開映画は41本でした。1ヵ月に3本新作を観れたら、1年間で36本なので、一応のノルマと課していますけれど、無事にノルマも果たせました。
そんな中での、個人的な私の2022年のベスト10を、今年も。
10位 ベイビー・ブローカー 是枝裕和監督
私の中で映画監督の巨匠になってしまいました。ホントに凄い映画監督。そして、今作が是枝監督のベストではないけれど、それなのに凄く魅せる!こういう部分が好きですし巨匠だと思わせてくれます。たくさん映画をこれからも撮って欲しいです。そして、ソン・ガンホさんがもうサイコー。私は本当の家族よりも疑似的な家族や繋がりの方が尊いと思います。
9位 ロスト・ドーター マギー・ギレンホール監督
初監督作品でこの出来栄えですよ、本当に才能のある方ってスゴイ。これはある一定の年齢になった方には刺さる作品ですし、それが女性なら、なおさらだと思います。そしてオリビア・コールマンの演技凄すぎる。ダコタ・ジョンソンも素晴らしかったし、あの一撃!
8位 ピースメイカー ジェームズ・ガン監督
これはHBOというアメリカのテレビ局のドラマなんですけれど、あまりに面白く、そして映像作品として今年の記憶と刻まれるべき作品なので。オープニングのダンス、サイコーですし、何というか人間味に溢れたダメな愛すべき人の話しなんです。私はあの髭もじゃの人が好きです。もう本当にダメでサイコー。
7位 THE OFFER
これも同じくドラマなんですけれど、あの名作「ゴッドファーザー」の映画プロデューサーの視点で、映画が出来上がっていくまでを追った映画制作秘話みたいな話しなんですけれど、本当に面白い!そしてこんな感じで映画が出来上がっていくのだというのを知る事が出来ました。中でも、私が普段なら好きになれない性格なのに、映画を製作するという1点において素晴らしくサイコーなエヴァンスがサイコーです。あと、これはスーツ映画です。テクスチャーまで想像させる、上質な、スーツ映画です。
6位 マイスモールランド 川和田恵真監督
正解がないにしてもここまでの現状とは、という事を知れると同時に、嵐莉菜さんというDaisy Ridleyさん級にめちゃくちゃ主役のオーラを感じさせる女優さんです。演技も最高です。もうこの人が出演するなら必ず映画館に駆けつけないと、と言えるくらい好きになりました。この主役感はなかなか誰もが出せるレベルじゃないです。しかもこの監督は、是枝監督の門下生で、これが初監督作品。恐ろしい。
5位 リコリス・ピザ ポール・トーマス・アンダーソン監督
映画館で観れて本当に良かった。2022年で思い出される映画館体験になりました。映画の素晴らしさが随所に現れてくる傑作!こういう映画をポール・トーマス・アンダーソン監督が撮るなんて!という驚きと共に、忘れられない傑作。こういうのをオシャレと呼ぶんだと思います。そして名優フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンを観れた最初の作品。そしてブラッドリー・クーパーの忘れられない演技が。思い出すだけで笑えます。
4位 バビ・ヤール セルゲイ・ロズニツア監督
こんなに衝撃を受けた作品は無いです。それも過去の映像のフッテージなので、意図してない映像を編集しているだけなんですけれど、まさに衝撃としか言いようがない映画。流石シアターイメージフォーラム。もう少し私はシアターイメージフォーラムに通わないと、と思いました。世界は知らない事で満ちています。でも知らないというのはある種の罪なのかも、と思わせてくれます。しかし本当に衝撃。これ学校で高校生くらい全員に魅せるべき作品だと思います。普通なら2022年のベスト1です。
3位 スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム ジョン・ワッツ監督
この映画を観る為に、僅か1週間の間に、過去作品を7本観ました。そして満を持して映画館でこの作品を観たのですが、映像体験と脚本の愛で見事にヤラレマシタ。正直、しーぱーヒーローの映画だと舐めていたわけですけれど、凄く真剣に素晴らしい作品に仕上がっています。メタ構造でなかなか難しい作品なんですけれど、そして非常にエモーショナルな作品なんですけれど、最高でした。これも映画館で観れて良かった。で、普通ならこれが2022年のベスト1なんです、けど。
2位 RRR S・S・ラージャマウリ監督
もう最高に大好きな作品で、これがエンターテイメントな映画の頂点でもいいんじゃないか?と思わせるくらい素晴らしい作品です。あまりに凄くて、よく考えたら感想にまとめてなかったです。もうとにかく万人に向けて、しかもエンターテイメントが好きな方なら老若男女問わず全員にオススメ出来る傑作です。年末から吉祥寺アップリンクでもかかるみたいなので、是非また観に行きたいです。ですから普通なら2022年のベストはこの作品なんです。でも
1位 ゴーストバスターズ/アフターライフ ジェイソン・ライトマン監督
2022年に最も心に刺さった私のベストはこの映画でした。もちろんRRRも最高ですし、バビ・ヤールも忘れられない作品ですけれど、中学生の頃、映画が好きになった作品で今見返しても、そしてジョン・ベルーシの代役で始まったとはいえ、今ではビル・マーレイの代表作を、愛を持って作り上げたジェイソン・ライトマン監督。お父様のアイヴァン・ライトマンから譲り受けたというのも最高です。そして、映画館であんなに目から水が出てきたのって無い体験でした。恥ずべき事ですが、これは耐えられなかったです。
来年はもっと気楽に映画を観に行きたいな。残り少ない人生なので、もっと1秒を大切に使いたいです。今後はもう少し個人的な時間を有効に使いたいです。
川和田恵真 監督 バンダイナムコ
2022年見逃し後追い作品 その3
本当にU-NEXTには感謝しかないです。今年の見逃した作品の中でも結構気になる作品。ただ、テーマ的に結構ヘヴィですし、今の私の精神状態で大丈夫なのか?ちょっと懸念があったのですが、そんなものはもうどうでもいいくらいの、傑作。初監督でこれはマジで本当に優秀な人って世の中にはいっぱいいるのだなぁ、と思う次第。
埼玉県に暮らすクルド人の一家、父、娘サーリャ(嵐莉菜)、妹、幼い弟ロビンの4人家族です、母は他界しています。サーリャは高校3年生で受験も控えているのですが・・・というのが冒頭です。
まず、この嵐莉菜さんというキャスティングが素晴らしい。なにこの主役の存在感。完璧。正直例えに出すのは良くないと分かっていても、episodeⅦが受け入れられたのってDaisy Ridleyさんのおかげだと思いますけれど、同じくらいの衝撃を受けました。
眼差し、佇まい、雰囲気、どれも初主演とは思えないですし、とにかく目の演技は本当に凄いと思いました。これはきっと監督の演出込みだと思いますけれど、本当に凄い。驚愕。言語もかなり難しい、母語ではないのに、自然でどういう才能の持ち主なんでしょう・・・神は二物を与えずって言ってた人いますけれど、全然嘘ですね・・・それか努力する才能があるんだと思いますけれど、本当に凄い。
そしてそれをこういう脚本の主演に連れてこれる監督がまたスゴイし、これが何と言いますか、この家族全員本当の家族というのが、また恐ろしいのです・・・
だって、このお父さんの、日本語のたどたどしくないのに、何処かにまだ不自然さがある感じ、演技や演出で出すの難しいですよ、ある一定の時期にしか現れないと思うので。何と言いますか、演技に見えないのに、役者じゃないというのが、監督の凄さだと思います、流石是枝監督関係者。驚愕です。
そして男の子を演じている奥平大兼さんの自然さも光ります。初々しいのに白々しくないんです。こういうのって本当に珍しいですし、成功していると思います。
テーマについても、流石にある一定の歳になると、移民排斥と融和というだけでない、グレーゾーンについての運用の問題である、とは理解していても、だからと言って個別ケースにはかなりの負荷がかかっていて、それも非人道的である事に、理解はしていても、でも、何の行動も起こしてなかったです、私が。それが、この映画の中で、ある一つの例を知る事で、これはマズイと思うと同時に、未だに非常に閉鎖的な部分があるのだな、とも思います。でもそれで良かった部分(例えば外圧に緩衝地帯がある)もあるし、悪かった部分ももちろんあるので、簡単に良いとか悪いとか言えないけれど、特徴なんだな、とは思います。
それでも、もし、私が同じ境遇で、同じ立場に立たされたら、と思うとやるせないですし、法律や規則というのは理解出来るけれど、受け入れられないと思います。そしてだから、出来る事が何かあれば、と、この映画を観た直後は思います、まるでカンフー映画を観た子供が、映画館から出てきて真似するのと同じくらい拙く幼いとしても、良い事でもあると思うし、知らないのと知っているのは全然違う。
高校生の女性と男性は実年齢で同級生でも、精神年齢で恐らく幼児と成人くらいの開きがあるのを、現代的に、そして男性にも嫌味なく届く演出になっているのも良かったです。
これが初監督・・・シンジラレナイ。
それと、NHKが協力しているみたいなんで、NHKエライと思いました。こんなにバカでかい国家予算を持っていて、受診料をさらに手に入れているのもどうかと思うし、もう少し国営放送とは言え自律性を持たせた方が、とかいろいろ意見はあるけれど、この映画に協力している、というだけで素晴らしい。
もし、海外で日本人が同じ境遇だったら、多分、国家が介入するレベルだと思いますけれど、これが難民なので国家が出てこない。もう少し緩和して良いと思います、でないとあまりに苛烈過ぎると思います。グレーゾーンの運用を頭使ってやりましょうよ、面倒でも、それが交易で共益に繋がると思うんだけど。
そもそも『外国人』という多分江戸時代の鎖国制度のおかげなのか?ワカラナイけれど、異文化を受け入れる土壌がそもそも無いから、当たり障りのない言葉を話しているようで、相手を深く傷つけている 自覚 すらないという恐ろしい事態に陥っているのが、日本の文化なのかと思うと、本当に恥ずかしく恐ろしい。そしてそれを、善しとしてる、知らない事なんだから良いんだ、という雰囲気を、山本七平の言う「空気」を感じる。 私も同じように行っていた事を、そしてこれからは注意しようと思受けれど、繰り返してしまう事を恥ずかしいと思う。
日本に住んでいる全ての人に、オススメ致します。