アーテム・セイタブラエフ監督 U-NEXT
2014年クリミア半島をロシア軍に占領され、ウクライナ東部を親ロシア派に占拠された。戦略上の要所ドネツク空港をウクライナ軍と義勇兵は242日間死守。何が彼らを突き動かしたのだろうか?
というのが冒頭の字幕です。
今年1番の私にとっての衝撃作は「バビ・ヤール」でしたが、これはウクライナの監督によるウクライナの暗部を描いた作品だったのですが、ウクライナ国内からは割合批判的な批評がなされていて、それは端的に言うと、ウクライナが現在非常に苦しく追い詰められているのに、こんな映画を公開するなんて、という批判に感じました。本当は元複雑ですが・・・
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確かに戦時、という非常時で、常識ではないとは思います。そして一致団結すべき時だという事も、人が亡くなられているという事も、そして圧倒的に、ロシアに今回の出来事は非がある事も理解していますけれど、だからと言って、ロシアの映像作品に罪は無いとも思います。私が他人事だから言える事なのでしょうけれど、でも、それでも、映像作品に国境は関係ないと思いたい。そして、団結すべき時であっても、変だな、と思う心の自由は誰にでもあると思います。そう言う意味で言えば私は保守主義ではないんだな、と思う次第。普通に何が尊いのか、それを調べたり比べたり自分で考えたい。古くから続く伝統だからと言って、それだけで尊重は出来ないし、それは新しいモノであっても同じです。
作中リベラルバカというセリフで揶揄される若者が出てくるんですけれど、私はそちら側に近いのかも。でも、それすら国とか郷土を思う気持ちなんだと、思うんですけれど。
少し時間が空いてしまい感想がまとまらず、細かな描写も忘れてしまいましたが、名作「バビ・ヤール」と対を成す作品と呼ばれていて、批判者が持ち上げた作品というから、もっと単純な映画かと思いましたが、なかなか作り込まれた作品でした。
意見を戦わせられる、対立していても尊重し合える兵士同士の繋がりは、悪くないです。命を懸けてますから。
あと、タニューハが1番エライと思う。それと煽情的な作品ではありますし、非常にエモーショナル。そういうのが必要な時だ、と言われれば、その通りなのかも知れません。
私は普段ならまず観ようと思わない作品でしたが、観て良かったです。
ウクライナについて考えてみたい方、バビ・ヤールを観られた方にオススメ致します。