ウィル・シャープ監督 キノフィルムズ U-NEXT
猫原理主義者の私としては、ルイス・ウェインは好きな画家です。それに、精神、脳、心というのは個人的には宇宙に匹敵する、訳の分からない未知の世界で、その影響を絵画で観られるというのは、とても稀な事だと思うので。それに、絵が好きなタイプです。
結構忠実な人物描写の様です、でも実際の所何処までなのか?不明です。けれど、ルイス・ウェインを知るには良い映画だと思います、流石、ベネディクト・カンバーバッチ。
1881年の父を失い、母と妹4人の生活費を稼ぐ為に働きづくめの部分から映画は始まります。
とても有名な画家ですし、猫原理主義者周辺では特に有名な画家ですから、ある程度は知識があるのですが、それを映像で観るのは、なかなか面白いですし、画角はかなり意識して、ルイス・ウェイン風にしてくれています。
色合いもとても良かったですし、唯一とも言えるパトロンのウィリアム卿を演じた方も良かったのですが、観ている最中は分からなかったのですが、姉役か母親役を、アンドレア・ライズボローが演じていて、とても不安にさせてくれます・・・この人はこういう役ばかりですけれど、本当に印象が強い。個人的には、クリスティーナ・チョー監督「ナンシー」のような人だと思ってます、完全に偏見ですけれど、ナンシーで演じた役柄が、物凄く成りきっていた、と思えたので・・・
この映画の最も(私にとって)素晴らしい所は、最初に飼う事になった妻との関係もあるピーターが、私が2番目に飼い、今までで1番頭の良かったおキャットさまである竹千代にそっくりな白黒のハチワレで鼻が黒い猫だったからです。竹千代、懐かしい・・・竹千代の名の由来は、赤塚不二夫先生の飼っていた菊千代にそっくりだったからです。でも菊千代よりも、竹千代の方がずっと可愛く、賢かったです。あんなに賢いおキャットさまはそうはいません。みんな自分の飼い猫が1番でしょうし、それでいいのですが、私にとってはおキャットさまは人よりも上位の存在なので、その中でも竹千代は可愛かったです。
なので、ピーターが出演してくれているだけで100点満点なんですけれど、ルイス・ウェインの絵画に、もう少しスポットが当たっても良かったと思いますし、精神世界の話しももう少し掘り下げて欲しかったです。
結局、妻を愛する、という当たり前すぎる、とても紋切型の話しになってしまい残念です。もっとルイス・ウェインの困惑とか、精神とか彼の絵の遍歴とか、その解釈の話しまでして欲しかったです。
最近人気になった漫画の登場人物で映画化にもなった鬼滅の刃に出てくるれんごくさんは、絶対、ルイス・ウェインの絵画からヒントを得ていると思います、そっくりすぎる・・・
猫が好きな方、おキャットさまには人間が尽くすべき、とお考えの方にオススメ致します。