ジョージ・ミラー監督 キノフィルムズ U-NEXT
あの、ジョージ・ミラー監督作品を何故劇場で観なかったのか・・・悔やまれます・・・
77歳の監督ですけれど、前作「マッドマックス フューリー・ロード」が凄すぎて、同じ監督が撮ったとは思えないほどのふり幅です、特に今作は。基本的に女性、それもある種の専門職に就いている女性に向けた映画です。
ま、とは言え「マッドマックス ヒューリーロード」も、女性である大隊長フュリオサの話しでもありますけれど。
そして物語を物語る映画。
アリシア（ティルダ・スウィントン）は物語論の専門家で、世界各国の物語を収集するために、トルコのイスタンブールを訪れるのですが・・・というのが冒頭です。
まず、キャスティングが素晴らしい。ティルダ・スウィントンさんは個人的には、コーエン兄弟作品「バーン・アフター・リーディング」のダメ妻と、ポン・ジュノ監督作品「スノー・ピアサー」のエグイ風見鶏の滑稽なおばさんが印象深いのですが、今回は非常に、美しかったです。こんなに美人で整っていたのか！と驚愕しました。よく考えると、この人の割合突飛な役でしか見ていないのかも知れません。
アリシアの造形が本当に素晴らしいです、凄く説得力があります。ある程度の年齢を重ねた自律した女性のかわいらしさを具現化していて、イイです。こんなに可愛らしいのに、でも芯の強さを表してくれて素晴らしいです。
基本的に、アラビアンナイトの話しですし、ジン、魔神が出てきます。なのでファンタジーなんですけれど、かなり着地がビターです。
この着地までの説得力、そして映像のサイケデリックさ、素晴らしいです。
流石、ジョージ・ミラー監督。これ映画館で見逃したの、本当に悔しい・・・
ジン役のイドニス・エルバさん、今まで全然意識していなかったですけれど、かなり多様な作品に出演していますね。特に声、イイです。
着地のビターと、ファンタジックな見せ方、素晴らしかった。
ただ、唯一、感じたのは、自律した女性を救うのって、完全なファンタジーを必要としないといけないのか、と思うと現世の業の深さ、本当に深いなと思います。
ある程度の年齢を重ねた女性の方、そしてジョージ・ミラー監督作品を観た事がある人にオススメ致します。
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