井の頭歯科

「トリとロキタ」を観ました

2023年11月15日 (水) 09:26

 

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督     Bitters End     U-NEXT

2023年見逃し後追い作品 その3

2023年公開映画の33本目/今年82本目  36/100 を目指しています。

ダルデンヌ兄弟監督作品、まぁまず外さないクオリティで好みの監督です。そして毎回非常にヘヴィーな事案を映画にしているのですが、今回はかなりヘヴィー、ちょっと引くくらいでした・・・

アフリカ系の女性が誰からかフランス語で詰問されています。母国での経緯や家族構成を聞かれたりして、答えに詰まる場面もあり・・・というのが冒頭です。

もし、全くダルデンヌ兄弟監督作品を観た事が無い、というのであれば、日本の監督なら是枝監督が好みそうな監督、と言えると思いますし、ケン・ローチ監督とも近いです。けれど、是枝監督とも、ケン・ローチ監督とも当たり前ですが違っていて、手法はドキュメンタリーに近くてフレデリック・ワイズマンっぽいです。なので好みの監督と言えると思いますが、今回は今までに増してきつかった・・・

まず、決して悪くない、逆に言えばいつも通りの、ハイクオリティな脚本だし演出だし映像です。最も比重を置かれているのは、私は脚本であり、その為の演出、だと思っています。

とは言え、今回の主人公である、トリは恐らく小学生、多分10歳もしくは9歳くらいですし、ロキタは20歳くらいでしょうか?ロキタの年齢はちょっと分からないですが、トリの年齢が若すぎるのに、境遇で起こる出来事が、確かにリアルだけれど、ヘヴィー過ぎる・・・何というか、トリが観ていると思うと、あるいは試写で観たのかと思うと、これはヘヴィー過ぎる・・・

恐らく実際にあった事例を基にしているんだろうとは思うのですが、ちょっと今回の脚本は個人的にやり過ぎなんじゃないか?と思った次第です・・・

なので、最初に観るダルデンネ兄弟監督作品としては向かないと思っております。

トリは年齢にしては境遇からくる機転は効くのですが、やはり小学生ですから、仕方ない行動なんだけれど、ロキタはもう少し考えて!と思ってしまいました、理解はするけれども、もう少し冷静になって欲しかった・・・あまりに衝動的過ぎる・・・

過去にダルデンネ監督作品を鑑賞されている人にオススメします。

偏見かも知れませんし、私だけかもしれないけれど、本作を観ている間、常に『死』の恐怖を感じていました・・・画面の外にいる『死』がいつか、画面内に入ってくるのが、怖いと同時に、まるで期待しているかのような・・・

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