ベス・デ・アウラージョ監督 アルバトロス U-NEXT
2023年見逃し後追い作品 その4
2023年公開映画の34本目/今年83本目 36/100 を目指しています。
全然何も知らないで2023年公開映画、というだけで選びました・・・あとは時間が短めだったから、くらいです。何の映画なのかも調べてなかったですけれど、なかなかにグロいものを見せられて、それなりにショッキングです・・・
女性がトイレで・・・というのが冒頭の、全編ワンカットで進む、クライムサスペンス(?)です。でも、全然笑えないし、確かに、狙いとして、レイシストを扱ったそれなりに射程の長い作品を作ろうとする意気込みは、感じます。悪くないし、それなりのショッキングは確かにあるし、同調圧力の恐ろしさも描けているのですが、1点、どうしても、こりゃダメだ、という部分があって、本当に乗れないです・・・
でも、差別的な考え、誰の心の中にもあり得ると思いますし、レイシスト、と呼ばれるのが心地いい人もいないでしょう。だからこそ、彼らの成り立ち、心の中の葛藤、その結果の行動、いろいろ考えさせられるわけです。私の心の中にも当然、潜んでいる。
主人公であるエミリーは幼稚園の教師であり、絵本画家を目指しているのですが、子供に恵まれていない、という苦悩を抱えています。そして、多様性を受け入れる事に抵抗があり、それを話せる場、としての女性だけのグループの主催者であり、そのグループの名前にとある名詞が入っているのですが、もうこの時点で、すみません、ダメだこりゃ、と思うのかというと、頭が悪い、という事なんです・・・で、ココだけじゃなく、凄く、頭が悪いんです・・・
確かにワンカットで緊張感のある、大変難しい映像化作品だと思いますし、監督の目指すベクトルは同意出来るんですけれど、脚本上の登場人物の頭の悪さに、ちょっと引いてしまいます・・・いや、ドン引きです・・・
ネタバレは無しの感想ですけれど、とにかく、すべての原因が頭が悪い、に起因しているので、しょうがないよね・・・という気持ちになりました・・・
あと、男性だろうが女性だろうが、プライドを傷つけられると、激高するモノでしょう、図星な部分もあるでしょう、けれど、何度も立ち止まり、考えるチャンスはあったのですが、自称優れた人種であろう人たちなのに、ね。という感じです・・・なんか、もう自業自得感しかないんですよ・・・
でも、たしかに、このコミュニティにいたら、イヤな感じになるだろうな、とは思いますけれど、だとすると、孤独を選択するよな、と思います。
で、この人たちはアメリカ社会では一般的に見えているのでしょうか?そこが最も不安ですけれど、もし、こんなに短絡的で頭が悪いのだとすると、そりゃトランプも大統領になるよな、という気持ちになります。
なんか凄いモノを見たのですが、とはいえ、ここまでだと、びっくり・・・
マッチョに男女は無いとは思うけれど、なんか本当に自業自得感しかない・・・
女性の人が観たら、いくらなんでも女性を頭悪く描きすぎ!となるのでしょうか?それともある程度の共感があるのでしょうか?
あんまりオススメ出来る作品では無いけれど、ワンカットムービーに興味がある人なら、少しオススメ出来ます・・・
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想ですので、未見の方はご遠慮くださいませ。
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もう、主人公の作るグループの名前がダメです・・・
アーリア人って概念、簡単に言える事じゃないです・・・しかも自分たちは、というか多分恣意的にアーリア人という言葉を使っている・・・ただの同じホモ・サピエンスなのに・・・
ストーリィを簡単にすると、
えばりたい、自分の主張を相手に100%認めさせたい
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しかし説明はしないし、相手を考慮しない
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その結果短絡的に感情に身を任せての行動
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重大事態に雪だるま式に大きくなる
という感じで、頭が悪い、自業自得、にしか見えなくて、何というか、差別主義者とかそういう事じゃなく、頭が悪い、という風に見えるので、こりゃダメだ・・・
ワンカットの時間帯は素晴らしいと思うし、役者さん方には負荷がかかる手法をあえて取っているのですが、その効果が薄いように感じます、別にカットを割ってもいいような・・・
雪だるま式に大事になるのに、偶然性とか、不確定要素があるわけじゃなく、ただ単に頭が悪いからなので、どうしても全然効果を感じなかった・・・