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エメラルド・フェネル監督 MGM Amazonprime
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は0/7
あの名作「Promising Young Woman 」の監督エメラルド・フェネルの新作がAmazonprimeに配信で観れるなんて!劇場で観たいのに!という気持ちを抑えて、観ました・・・えっと、一気に観るべき作品なんですけれど、すみません、3回も視聴を止め、数日開けないと、再び視聴する勇気が出なかったです・・・結構衝撃的。
オリバー(バリー・キョウガン という表記、読み方がワカラナイのでBarry Keoghan )はオックスフォード大学に入学するのですが、全く大学生活になじめません・・・そんなある日、自転車で・・・というのが冒頭です。
完全に円環構造作品ですし、信頼出来ない語り手作品とも言えます。
とにかく、コテンラジオでも学びましたが、イギリスは階級社会で、緩やかな革命の為に貴族、が残っています。これは王様とかキングとかではなく、貴族が存在する珍しい社会。そして階級社会の習わしが今でも存在するわけです。
その完全に貴族の社会である人間と、一般の人間の関係性モノとも言えます。
それにしても、凄く、ああ、私はこういうのが嫌なんだ、と思える描写が3回あり、耐えられなくなって視聴を止める、という映画館ではアリエナイ、配信ならではの行為をしてしまいました・・・基本的に止めたくないのですが、耐えられなかったです・・・
そして、そういう自分の中の生理的嫌悪について考えさせられた作品。
ちょっと、どういう作品なのか?よく分からないのですが、結構ショッキングな作品。
役者さんはどなたも凄いのですが、とにかく、Barry Keoghan が凄すぎる。怪演、と言えると思いますけれど、凄く自然。
それと、Jacob Elordi 初めて観ましたが、佇まいが紳士的で、どう遊んでいようとも、紳士に見えるって結構凄いと思います。まさに上流階級の人に見える。
あと、Rosamund Pikeがヤバい。本当になんというか、ヤバい。
あ、みんな大好きマクラビン!が映画内であります!!ココ重要。
不思議な映画、未体験を求めている人に、オススメします。
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ネタバレあり、としては、やはり、3回、個人的に止めてしまう場面があって・・・
1つ目は、風呂場のシーン・・・キモチワルイ!と思ってしまったし、結構長い・・・無理・・・でした・・・
2つ目は、吸血鬼シーン・・・これも、無理・・・すんげぇキモチワルイ・・・
3つ目は、ファーリーへのベッドの上での脅迫シーンです・・・すげぇ意味が分からない・・・
アレ、どれも性的な場面なんですけれど、大丈夫か私・・・
まず、1つ目は汚い、という事が先に立って、それがロマンティシズムに満ちた意味があるとしても、ダメだろそれは、と思ってしまった・・・冷静になれば、あり得るかも知れないけれど、なんか違う感覚があります・・・
2つ目も同じで、何ていうか、やはり汚い、という事に尽きると思います・・・
3つ目が1番意味不明で・・・これは、何というか、男性的な感覚で言うと、それはない、と理解しているからです。まぁファーリーがバイセクシュアルだったら、と50歩ほど譲っても、結局、脅迫されている場面で性的興奮が起こるのか?しかも男性で?で意味不明になってしまいました・・・さすがに、ちょっとこれは女性の想像だとしても、浅くないか?と思うのです。あとで言及しますけれど、このシーンを入れるミスリードに意味や伏線を感じないのです。ただセンセーショナルに映るから、と言う意味しか見いだせなかった・・・
オリ―は信用できない語り手である事は、まず確認しておきたい。彼の妄想なのか、演出なのか、現実なのか、ハッキリしません。ですが、どの場合だったとしても、ちょっとした齟齬があります。全部が現実だったら、わざわざ映画の冒頭でフェリックスの事が好きだった、何て言う必要が無いミスリードだと思いますし、ラストではちょろかった、とも発言していて整合性が取れない。
だから、当然オリ―の想像や演出も可能性があるし、ラストのちょろかった、には短くはあるけれど、殺意を立証(と言い切りたいけれど、お姉さんはただ剃刀を置いておいただけだし、この辺も複雑とも言えるけれど、判然としない)出来るか?は微妙ですけれど、オリ―の行動の先に、ハッキリ人が亡くなっているわけで、しっかり遺産の相続も行われているし、利害関係もある。
にも拘らず、最終的にフェリックスに懇願する場面もあるし、どれがホントのオリ―なのか、分からない作りになっていると思いました。
ま、サイコパスの心情は分からなくてもいいんだけれど。
でも、映画内で男性同士で。脅迫を受けている場面で、性的な興奮が起こる、と思ってるのってちょっとBLの読み過ぎなんじゃないのか?とは思うけれど、今までの映画の中で、主人公の男性に都合よく、女性が性的な魅力をアピールしてくる(特に理由もなく)場面なんて無限に近くあったわけで、まぁしょうがないか、とも思うし、複雑。
もう1点、何というのか知らないけれど、オリ―の実家に行くシーン、あれなんか凄く恥ずかしいですね・・・嘘がバレるときの恐ろしさ、ある。
サイコパスにしては、あまりに両親に組み敷かれ過ぎな描写も、ちょっとアリエナイし、実家に行くのも、どう考えても良い面が(家の乗っ取るとか、フェリックスの好意を継続させるためにも)存在しないのに、ただ従っていくのも、オリ―・サイコパスっぽくない。
なんか、もう少し「Promising Young Woman 」の時は解析度が高かったし、精緻に組み上げられている感覚があったけれど、これは男性主人公だからなのか?ちょっと解析度も低いし、脚本としてあまり上手くないと思う。
と、イヤな面も挙げましたが、それだけじゃなく、良い面もあって。
まず、この城みたいな屋敷を舞台にして、凄く色彩豊かでリッチな絵になってるの最高に良かったですし、音楽も、その荘厳さ、ポップさ、の両方に秀でていて、かなり好感持ちました。
石を川に投げる儀式も良かったし、キャスティング最高ですよね?今の2024年でオリ―役はこの人しかいないし、当て書きなのかと思うくらいです。しかしBarry Keoghan ヤバいですね・・・
そりゃイギリスだとパンクも生まれますね。
ただ、ラストシーンのぼかしはいらなかったんじゃないかな?と思います。でも今回は監督が入れているので、それは尊重したい。