https://www.youtube.com/watch?v=lAD81wjRnL8
コリー・フィンリー監督 MGM PlanB Amazonprime
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は1/15
U-NEXTさん、Netflix、Amazonprimeにお世話になっているのですが、ついついU-NEXTさんばかり検索している気がしたので、思い切って1番利用回数の少ないAmazonprimeを検索してみてみようかな、と思って気になったのが、このタイトル。
有名な画家の書いた作品がタイトルと制作年と素材で示される美術館の様に、稚拙な絵画作品が、その製作年、タイトル、素材で次々示されていくのですが、徐々にその年数は2020年から未来に行き・・・というのが冒頭です。
これは、理解して頂ける方もいるとは思いますがロブ・ライナー監督作品「恋人たちの予感」のインタビュー、本編、インタビュー形式の作品で、凄く手垢のついた表現ではありますが私は大好物な奴です。
予告も観ないで、知らない監督の作品を観る事って希少な事で価値があると思っています。ですので、何も知らないで観ていただきたいのですが、何の映画か?ワカラナイとなかなか難しい方もいらっしゃるとは思いますので、一応説明しておくと、コメディーSF映画です。
そして、シュールです。
とてもコミカルで、設定が最高に面白いです。作り込みも最高なのに、オチ、が弱いのがもったいない・・・でも、この設定を思いついた時点で、勝利!な作品。
そういう作品が好きな方にオススメ致します。
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想です。未見の方はご注意くださいませ。
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まず、異星人ヴァ―ヴの存在が面白いです。人間の上位存在で完全にホモサピエンスを支配下に置いています。
それも、1950年代からホモサピエンスを観察、存在を受け入れるのに必要な時間とタイミングを待ってから存在を明かしてきます。テクノロジーでは全く歯が立たず、しかも絶滅をしたり地球を乗っ取るのではなく、経済的支配を行い、文化についてはある程度許容するのですが、さも上位の存在として立ち振る舞ってくるので、完全に下等生物の観察日記的な扱いを受けるのです・・・もうここが秀逸。
なので、食事にしても、異星人ヴァ―ヴから与えられるものは、ほぼ代用品で、ヘンテコなキューブ状の代用食品。しかも経済的に搾取されまくっているので、ホモサピエンスの大半が飢餓状態、ホームレス状態です。
テクノロジーで言えば、おでこに張り付けるノードと呼ばれるデバイスを付ける事で直接脳に働きかけ、現実の上に仮想現実を魅せて混ぜるという相互受信装置を配られています。これはジョージ・オーウェルの「1984」で言う所のテレスクリーン(テレビジョンのような受信装置と監視カメラの監視装置が合体したもの)の上位装置なので、バッテリーもいらず、脳に直接映像を流せて、しかも相手ヴァ―ヴが受信も出来ます。
生活は困窮、教育はヴァ―ヴの教育、荒んだ世界の中で、転校生のクロエと出会うアーティスト志願のアダムは、なんとかこの窮状を脱するために、秘策を思いつくのです。
それが恋愛実況 (broadcasting their dating)です。
ヴァ―ヴは無性生殖なので恋愛感情やデートの文化が無い、興味津々な彼らに恋愛実況をする事で、視聴、配信による稼ぎを得ようというのです。
この発想、とても面白いですし、確かに説得力があります。
で、ここまでの作り込み、発想、関係性、まで含めて大変面白いのに、この先、ラストがちょっと腰砕けで残念・・・
もう少し脚本として練れたと思いますし、折角ここまで丹念に作っていたのに、まぁ原作があるようなので、仕方ないかも知れないけれど、ココで映画ならではのジャンプが欲しかった。
それでも、このストーリィで、どんな結末が望ましいかというと、ちょっとかなりビターな展開にならざるを得ないし、父親の顛末ももう少し明らかにしたいとなると、大変難しく、なかなか良いアイディアが無いのですが、私なら、アーティストとして認められた後、もちろん断って帰ってくるのは一緒で、その後、再度新しい絵をかきながらエンディングまでは一緒にしても、エンドロールをバックに、さらに年代を進めて、父との和解の絵画、さらに、ヴァ―ヴの勝手な改竄点を指摘しつつ、さらに大きな地球の砂漠とか極地の氷の上のアート作品を入れる、とするのはどうでしょうかね。そしてアーティスト器質の異星人枠をホモサピエンスが獲得していく、みたいなエンディングだったらなぁ。