小野寺拓也 田野大輔著 岩波ブックレット
ネット社会になって1番良かった事って、私にとっては、調べる手段が増えた、に尽きると思います。ネットが無い世界だったら、まず間違いなく、図書館。それ以外ですと、知っている人に直接聞く、しか方法が無かったと思いますし、知っている人が誰なのか?すら分からなかった世界です。なので、知っている人に会った場合、失礼にならないように気を付けはしますけれど、いろいろ伺ったりしますし、その対価を何も払えない状況だと、聞きたくても聞けない、という事になります。そう考えると、ネットのありがたみを凄く感じます。
しかし、ネット社会のルールがまだ完全に確立していない事で、わざわざ出会わなくても良い人が出会い、そして礼儀が無い事で、凄くぎすぎすした関係や険悪な感じになる事が多いのが、ネットの私が考えるデメリットです。
その中でも、カエサルが言うように「人は見たいものしか見ない」がより強まった気がしますし、検証をしない人が多い気がします・・・私も含めてです、当然。当たり前ですけれどリテラシーって必要ですし。
その中でもポリティカルコネクトネス、新たなルールというか、概念ですし、まだ慣れない事で、軋轢があるのだと思います。
専門家だからこそ気付ける事があると同時に、専門だからと言って鵜呑みにも出来ません。そして物事を言い切るのって、とても慎重な判断が求められると思いますし、言葉ってホモサピエンスにとって最も有効なコミュニケーションの手段です。つい、相手が見えない事から、強い言葉を使ってしまう事があります。私も気をつけたい。
同時に言葉は残る、記録に残るわけで、その事に対してもう少し配慮があっても良いかと思います。
この本はネット上で一方的な批判を受けた専門家が、歴史的データを基に反論した書籍ですが、まぁ言い分は最もだと思います。それに割合知られていた事も多い気がしましたが、読んで理解出来ました。
それでも、多分、ネットの中で批判してきた人々には届かないんだろうな、という感覚もあります。凄く、砂漠に水を撒くような行為にも見えるけれど、誰かが少しでも水をまき続け、反論し続けないと、どうにもならない気がします。
話しが通じない人に何かを届ける事を考えていた時期もありましたが、残り少ない時間を考えると、出来れば話が通じる人と話がしたい、という風に意見が変化してきました。
それでも、多少は話しを、同意を得る為の、相手も生きているホモサピエンスであり、敬意を払うべき対象であるという認識は必要だと考えています。
難しい態度が求められると考えています。
ナチスの成果について、詳しく知りたい方にオススメ致します。