2024年10月29日 (火) 08:51
ジョージ・P・コスマトス監督 キャノンフィルムズ U-NEXT
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は31/101
とある監督さんが好きな映画に挙げていて、テレビで流し見はしたことありますけれど、ちゃんと見て見ようと思って。
スーパーの駐車場にバイクが乗り入れてきて、しかも態度が悪い男が・・・というのが冒頭です。
なるほど!という感覚がありました。前に観た時の記憶ですと、なんだか普通の刑事モノみたいな感じだったのですが、これは凄く80’sな作品。
音楽、ファッション、雰囲気含めて、とにかく80年代。なんだかジャンクで能天気。でも、そこにも愛があります。
異質な感じがするけれど、これも80年代ならではな、健康志向。これでエアロビの場面が出てくれば完璧な作品になってたと思います。
最終決戦場も、凄く、アレを思い起こさせる。でもそれすらこの作品の方が後なんですけれど、インスパイアされたわけではなさそう。
武装カルト集団なんて、まさに80年代って感じもありますし、90年代の先取りとも言える。
で、まさか奥さんだったとは・・・そう言う意味でもダーティー・ハリーな作品。
ちょっと変わった刑事モノを観たい方にオススメ致します。
2024年10月26日 (土) 08:47
ジュスティーヌ・トリエ監督 GAGA U-NEXT
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は31/100
色々な意味で評判だった作品ですし、年間本数は今年は割合早めに達成したのですが、今年公開映画がまだ自分に課している本数に足りなかったので、新作で観たいモノで選びました。
評判の中には良いというのもあれば、かなり悪いのもありますし、ある意味評価が分かれているのは興味ある作品とも言えます。
雪が降り積もった山地に立つ3階建ての山荘で・・・というのが冒頭です。
法廷サスペンスモノだと思います。そして法廷モノは面白い作品が多いですよね。私は好きな作品が多いです。
ですが、最後まで本当に何があったのか?は分かりません。あくまで裁判結果は判決が出ますけれど、この映画の本質はそこではなく、観客である受け手が何をどう思うか?を楽しませる映画。
の割に、結構長い・・・そして、その長さ、体感含めて、あまり上手いとは言えない気がしました。やりたい事はなんとなく理解出来るように感じますが、もう少しコンパクトな方が私は好みですが、その辺はフランス映画ならではなのかも。
そして、主演が「関心領域」のあの奥さん!で、これまた非常に難のあるキャラクター。
で、もちろん上手いです、演技。というか、そういう人に見える・・・
こういう映画を観て後で考えるのは、男女の立場が逆でも成立するか?なんですけれど、父親と母親の立場を逆にするの、凄く違和感があり、この辺が個人的には埋められない。やはり出産というイニシエーション性は強くて理解出来ない感覚があります。
倦怠夫婦モノとも言える作品ですが、立場があまりに違う気がしますし、人物の強さ、についても差があり過ぎる・・・
もっと曖昧模糊でも良かった気がしますし、母親の有名性は無くても良かった気がします。ちょっと要素が多すぎる。もう少し絞っても良かったし、その有名性はこの映画のテーマとあまり関係が無い(有名性を出さなくても、十分に強いキャラクター)のに、割かれなければいけないシーンが多すぎるのも、ちょっと・・・
でもまぁ親の要素を抜けば、男女を逆にしても、昔なら普通にあり得たかな。特異な話しでもない。
でも、子供要素が、演じている子にも負荷がかかるし、う~んと思います。結局のところ、なんにせよ、子供に負荷をかけ、裁判でさらに負荷、その上証言で負荷、おまけに、主体的な責任まで背負った上での判断をさせる負荷、と、誰の子供に生まれるか?を決められない幼少期で保護されるべき存在ではあるはずが、ここまでやる製作者の、夫婦の関係性の深みを出すために、ここまでやられると、意図として理解は出来ても、正直人格として疑う。この点は凄く気になる。庇っているようで、実は負荷をかけている。
もし、裁判で、自分がどうなっても、子供を保護、守るために証言をさせない、もしくはそのために自分の権利を行使しない、という判断だったら、まだ納得できるが、まぁその後の子供の安寧を考えると難しいのかな・・・あるいは、自分こそが守るという、エゴに私には感じられた。それを親の責務と考える人が居るのは理解しますけれど、私はエゴに感じます。
しかし、お犬さまが、かわいい。私は猫原理主義者だが、お犬さまも、やはりかわいい。
裁判結果とは別に、あなたは本当の所、どうだったのか?を誰かと話し合ってみたい映画。
能動的に考えてみたい人にオススメ致します。
2024年10月25日 (金) 09:20
テッド・コッチェフ STUDIOCANAL U-NEXT
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は30/99
なんだかんだ言ってもちゃんと通してみるのは初めてです、お恥ずかしい。ですが、公開当初から(同時期公開は覚えている限り、ETと地中海殺人事件・・・あと幻魔大戦は覚えてるし、ランボーじゃなく、地中海殺人事件を選択した記憶ある)知ってはいたものの、そして小説版の方も気になってはいたものの、ミリオタ器質が低いんでしょうね、あと体動かすのが苦手なんで。
かなり郊外の家を訪ねてきた男が・・・というのが冒頭です。
結末も知ってるし、なんなら過程もある程度知ってますし、テレビで途中から何度も観てるのですが、最初の部分を観てなかったので、そこまで!となって無かったのですが、凄い扱い受けてますね・・・
これは今でこそ病名がついている状況ですが、当時はそうでは無かったんでしょうね・・・
まぁあまりに保安官が、なんですけれど、映画の悪役はそういう部分を担ってこそ。
で、監督は初めて観ると思います。なかなか見事なまとめ方です。
最終盤の場面は本当に有名で、いろいろパロディ作品も多いんですけれど、正直これは結構来ますね・・・
ホモサピエンスをホモサピエンスじゃなくす訓練を積ませ、役目が終われば放り出しているように見えますし、だからと言って軍事を何よりも優先させるわけにもいかず、難しいですけれど、多分、ホモサピエンスが種族として賢くならないと止められないでしょうね・・・
あんまり茶化していい場面じゃない気がしました。
ベトナム戦争がアメリカに与えた傷がどれほど深いのか?の一端。
結局いろいろ知ってるけど観た事は無かった、という人に、オススメ致します。
2024年10月22日 (火) 08:54
シドニー・ルメット監督 ワーナーブラザーズ U-NEXT
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は30/98
原題は「Dog Day Afternoon」恐らく暑い午後的な引用句だったと思います、確か浦沢直樹著「masterキートン」でも言ってましたし。
1972年8月22日NYブルックリン 実際に起こった事件に基づいている という字幕の後、ブルックリンと思われる街並みが写されるのですが、想像以上になかなかです・・・カットバックすると場面ごとに全然違った街に見えるのですが・・・というのが冒頭です。
流石名匠シドニー・ルメット監督作品。非常に見応えがあり、かつ細やかな演出も冴えわたりますし、今観ても新鮮。ハリウッドが言う「事実に基づく」は全然事実じゃなく誇張も甚だしいのですが、そういう風に簡単に煽情的にしないシドニー。ルメット監督は信頼に値する監督ですし、この作品の持つ視座は長く現代でも十分に問題提起になっていて、しかもそれを監督は新聞記事で知って、映画にしようと思ったそうで、慧眼としか言いようがない。
役者で言えば、それはアル・パチーノの1人舞台のように見えて、凄くいい意味で不気味な存在感であるジョン・カザールの存在も忘れられない。
脚本の練り上げ方も流石ですし、銀行強盗モノの傑作と言える。
緊張感のあるケイパーモノが好きな方にオススメします。
最初の曲とブルックリンの街並みが、もうMTV感満載でかっこいいです。
2024年10月18日 (金) 08:55
セルゲイ・エイゼンシュテイン監督 Amazonprime
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は30/97
恥ずかしながら、初めて観ました。で、まさか無声映画とは思いませんでしたし、え、これって、あの有名な映画のシーンみたいだけれど、これのオマージュだったのか!的なシーンもあり、驚きが連発。
ロシアの戦艦ポチョムキンに搭乗している水兵は厳しい生活を強いられていて・・・というのが冒頭です。
何となく、戦艦が出てくるので戦争映画なんだろうな、と思っていましたけれど、全然違いました・・・
いわゆるロシア革命の記念として製作された映画の様ですけれど、そういう経緯理解したとしても、非常にスペクタクル。出演する人数を考えても素晴らしい効果を上げていますし、ロケーションも凄いです。その割には、すぐにミニチュアだと分かるシーンもあるのですが、なんか微笑ましく感じます。
オデッサという単語を初めて知ったのは小学校4年生くらいだったと思いますが、今は戦地になっていて、そこについても考えさせられます。
大変有名なシーンということさえ知らずに観たので、非常にびっくりの連続だったのですが、オマージュ作品を先に観ていると、なるほど、と納得の感覚。
市民革命である事を強調していますし、その前段階をかなり悪く描いているのではないか?という感覚もありますけれど、まぁそういう点は仕方ないと思います。
それと、音楽はこのために作られたかのような画面の動きとの同期性を感じましたし、1812年オマージュのメロディも非常に感銘受けました。やはりこのメロディはあがりますね。
しかし、これタイトルはもう少しどうにかならなかったんでしょうかね・・・
映画の発展の経緯を知る事に興味がある方に、そして無声映画だとしても非常にスペクタクルな事が出来るのだという事を知る事に興味のある方にオススメします。