ダニエル・ゴールドハーパー監督 リリカルメディア U-NEXT
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は29/92
なんでこの邦題は「パイプラインを壊す方法」なのかと思ったら、原題は「How to blow up a pipeline」なんですね。
ちょうどまた繰り越し分のU-NEXTさんのポイントを消費しようと思っていたら、気になった題名だったので、何にも知らないで観ました。
駐車してある車のタイヤにいきなりナイフを突き立てる人物が、その後同じ車のワイパーに黄色い紙を挟むのですが、その紙には大きな文字で「あなたの財産を破壊する理由」というタイトルで、小さな文字までは読めませんが・・・というのが冒頭です。
環境問題に対して、過激な抵抗運動を行う様のドキュメンタリー 風 映画です。
あくまでドキュメンタリー風であり、なんなら行為を起こす側の視点でしか描かれませんから、とても情動的。エモーショナルにさせよう、という映画製作側の意気込みも感じると同時に、この映画内人物たちの動機を印象付けようとしているように見えます。
ただ、フラットでは無いです・・・ここが1番の疑問。
環境破壊に対してはもっと対策が必要な事は日本で20年くらい生活している人なら誰しもが感じられる事でしょうし、温暖化は間違いなく進んでいる事でしょう。かなりな手遅れ感を感じます。しかしホモサピエンスの不得意分野である物語形式でないと理解出来ない特性が発動している様に見えます。つまり確実に、温暖化に寄与する行為ではあるが、その被害は子供や孫世代にならないと受け取れないのに、今の経済的な利潤を追求してしまう生き物。そこまで理解していながらも、利害関係者に環境問題として心からの理解が得られるように説得出来ていない・・・
環境問題に対してテロリズムで対抗する、手段的な犯罪性を理解しつつも、その罪を背負ってまで行動を抑止する事は今の所無理な気がします。これは何かに似ています。あえては記さないけれど、似てる。
確かに環境問題はもう少し、いやもっと今すぐに行動を起こさないと間に合わない、というか手遅れ感すらある問題です。
そういう理解はしつつ、しかし、この映画はあくまで行動を起こす側のドキュメンタリーチックな作風なので、企業側の反論が皆無なのが問題だと思います。
環境問題に興味のある方にオススメします。
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想です。
未見の方はご注意下さい。
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とはいえ、かなり無理がある脚本・・・
内部通報者を内包した計画には、面白味もありますし、当然考えるべき問題。ある種罪を償う用意があり、覚悟がある。ここまでは理解出来ます。
ただ、本当に白血病患者に地域的特性があるのか?疑問ですし、3名の女性だけではどう考えても無理・・・しかも爆弾に詳しいものが居ない・・・それに重さの問題もある・・・3名だけで出来るモノとは思えない・・・
そして、男性で囮になった存在と、犯行グループの存在は時間的に見ても関連があるとしか思えないですよね・・・という事はすぐに思いつきます・・・
さらにFBIから謝礼がもらえているのも気がかり・・・そんな事するかな・・・
パイプラインを壊さずに、企業のトップを説得して問題意識を共有させる方がもっと効率的な気がしますけれど、まぁそれも相当に難しいでしょうね・・・根本的な解決が難しい問題です。