入江悠監督 キノフィルムズ Amazonprime
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は30/96
入江監督作品なのと、早くもAmazonprimeで観られると聞いたので。
脚本も入江監督だったので。
なんにも知らないまま、ただ主演が河合優実さんなので、間違いないと思ったのもある。
正直感想にまとめるのが凄く難しい。
何が原因でどうすれば良かったのか?を考えてはみるのですが、現実の事件に着想を得たフィクション、という部分で凄く考えてしまう。
演者の皆さんは1名を除き、良かったと思いますし、その1名の方も、いつもと比べたら良かったとも言える。それにこの人はそういう人なんで、これはキャスティングする方のセンスと言いますか、好みの問題かも。
んんん、娘をママという部分がこの映画の中で最も新鮮で、最も残酷で、最も心情が透ける言葉。
かなりの早朝に繁華街と思われる街を、そして東京オリンピック開催前と思われるポスターや掲示がある道を歩く女性の後ろ姿が・・・というのが冒頭です。
監督が脚本を書いていて、現実の事件を基にフィクションの映画にしている動機を考えると、この映画で扱っている問題に社会の目を向ける為、と考えるのが普通で、もしそうであるなら、ある種の解決策への道筋のような部分まで含めても欲しかったのですが、そこは大変難しいのかも知れません。
なんというか個人や家族の問題に収斂していい話ではないと思いました。
そしてホモサピエンスというのは、どこから見ているのか?でそういう面もある、というだけなのだとも思います。つまり全員が善意だけで、良い人だけで出来上がっている訳では無い。という至極当然の話しですけれど、つい、物語やキャラクターでその人をカテゴライズしてしまいやすい。そういう部分は気をつけたい、とも思うけれど、この物語の中で最も裏表のある人物の描写は、昔よく見られてキャラクター造形でもあり、まぁ割合最初から疑って見ている感覚はあります。
ただ、河合優実さんは本当に凄い役者さんだな、とは思います。ちょっとびっくり、またしてしまいますし、この人は作品ごとの振れ幅が大きすぎて、その上いつも全然違う人に見えるくらいに自然で、末恐ろしい。
河井青葉さんも、もうそういう人にしか見えないのですが、演技なんですよねぇ、凄い。
二転三転する割合ラストの方に、ミスリードさせる、ある種カットバックな演出があるのですけれど、これは要らなかったんじゃないでしょうか?ちょっとあざといと思います・・・
完璧なホモサピエンスはいないし、まだホモサピエンスは完全な政府も作れていない。というのは意識した方が良いと思いますけれど、もう少しどうにか出来た。でも現実って本当に厳しいですね。
上手く感想はまとまらないけれど、一見に値する作品。
河合優実さんという若い役者の凄みに興味がある方にオススメ致します。