コリン・ケアンズ キャメロン・ケアンズ監督 GAGA toho新宿
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は33/104
友人にオススメされたので、すぐに観に行きました。それと、シビル・ウォーが全然ハマらなかったので口直しに。
ジャック・デルロイ(デヴィッド・ダスマルチャン)は1970年代にテレビ局と契約し深夜トーク番組(生放送で観客もスタジオに入れるタイプ)「Night Owls」の司会者に抜擢され・・・というのが冒頭です。
さらに、宣伝でも使われているのですが、ファウンド・フッテージモノです。つまり1977年の深夜番組のマスターテープが見つかった形、で映画になってます。
この設定が素晴らしいし、その上で1977年というのが絶妙に、個人的に良かったです。この手の番組でいうと、私はテレビ放送で見た「グラハムカーの世界の料理ショー」が大好きで、それは吹き替えの魅力もあってあっての事なんですけれどトークバラエティショーで、ゲストが出演するものを想像していただけたら間違いないです。
しかも、ここに、生バンドの演奏が入るんですけれど、この演奏がまたすっっごく好みでした。ジャズ調のファンクなテーマ曲、そして効果音含む出囃子さえも生演奏。こういう贅沢さって今は無くなってしまった豪華さですし、最高に映えます。つまり音楽も素晴らしかった。
いろいろと設定、それも映画的には縛り、が存在します。過去のテレビ放送で、生放送であり、視聴率低迷で番組の存続が危ぶまれている為に、定番で安定化したモノではない、アクシデントでさえ構わない、という状況なんです。
ここが凄くうまいと思います。縛りであると言うことは、逆にここを克服できた場合のカタルシスは大きい、という事ですから。そのジャンプが素晴らしい。これは脚本の勝利だと思いますし、その脚本を書いているのも監督であるコリン&キャメロン・ケアンズ兄弟監督で、初めて観たのですが大変感銘受けました。
それと、確かに人気者であり、主人公のジャック・デルロイを演じるデヴィッド・ダスマルチャンの存在感がイイです。どこか愛嬌があり2枚目も3枚目もできて、機転が効くのも魅力。そして調べてみると面白かった方の「スーサイドスクワット」(ジェームズ・ガン監督作品)のポルカ・ドットマンの人でした!納得!この人暗い人も出来るの、芸達者ですし、素晴らしい。流石役者さんですね。でも、最後の方はちょっと尾崎紀世彦に見えたりしました、それは私の幼少期の個人的体験があるからだとは思うけど・・・
そしてリリー役の演者の、なんと言いますか、ホラー映画の肝である所の儚さがあり、だからこそのギャップが素晴らしい。この時でしか出せない何かがあると思います。
期待していなかった分、もっと言うとやはり予告編とか調べないで観る映画の面白さって、予告編を見て雰囲気が分かってしまうと減じられるモノなのだと言うことを理解しました。
ただ、ナイトオウルって聴くとどうしても、名作漫画「ウォッチメン」の2代目ナイトオウルの事を思い出してしまいます。
気になった部分で言うと、設定を生かしきれてないのが、冒頭に出てくる謎集団。ここはもう少し練れたはず。もっと上手く絡めても良かった。あとラスト、ね。これは驚きはするんだけれど、なんで?にはっきりした答えが、個人的には見いだせなかったです。ここは残念。
でもそう言うことを抜きにしてもかなり良かったです。
ホラー作品が好きな方は勝手に観るでしょうから、是非グラハムカーの世界の料理ショー的な、古いテレビ番組が好きな方にオススメいたします。
アテンション・プリーズ!
ココから最後にちょっとだけネタバレありの感想を。
未見の方はご注意を。
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ちょっとだけネタバレありで言うと、リリーに取り付いたグリグス、宿主であるリリーの殺害はちょっと驚かせる、に振りすぎで、主人公ジャックの物語に寄りすぎだと思います、勿体無い!ここはリリーが宿主である以上に、現世に復活する為には新たな宿主であり現世への影響度が高くなるジャックへの取り憑きに、トラウマが必要で、だからこそ、と言う描写さえあれば、もっと上手くいったのに!と感じました。