安田淳一監督 GAGA Toho新宿
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は43/117
評判を聞いて、足を運びました。
時代劇で、タイトルから想像するに、凄く手垢のついた感じしかしないのに、かなり頑張ってる作品。でも、まぁ高評価はうなずける部分と、それとは別に、違和感もなくはない作品です。
思ってた以上に、凄いとはならなかったです。確かに「カメラを止めるな」的な大ヒットだと思いますし、監督の努力の結晶で、凄い作品ではあります。基本的にどんな映画も、映画なんか作った事が無い、なんなら何一つ成し遂げた事が無い、ホモサピエンスとしての能力で言えば最底辺の私が言える事なんて何もないのですが、備忘録としての感想なんて。あくまで個人的な戯言と言って構わないです。
幕末の京都。会津藩士で高坂新左衛門(安田淳一)は藩命を受け土佐藩士である風見を斬るべく潜伏しているのですが・・・というのが冒頭です。
まず、何と言っても監督であり、主演の安田さんの、佇まい、雰囲気、言葉使い、そのすべての完成度が素晴らしかった。この荒唐無稽な設定を成り立たせるのは、この人の所作を含む存在にかかっています。ここで100点満点を出して説得力を増しているのは、凄い。全然知らない役者さんであり、監督なんですけれど、この点が見事。正直、この人を見るだけ充分元は取れます。
特に、顔。さらに言えば目の演技力はちょっとどうかと思う程。もう役所広司さんレベルと言ってもイイ。まばたきを全然しない演技も素晴らしい。顔つきも、幕末の藩士にちゃんと見えます。
さらに、剣の使い手としての説得力もあり、竹光と実際の刀との重みの違いに対しての違和感を言葉にするのも、工夫するのも、本当に素晴らしい。
演者として、役者として、この映画の中での最も良いのが、監督であり主演の安田さんです。
そして残念なのが、この人の演技を受けられるレベルの人はいないのが難点だと思います・・・
全然悪くないし、なんなら違和感なかったと思います、同じ画面内に、安田さんが居なければ・・・
安田さんのレベルが高すぎて、違和感があるほどなんです、ココが1番残念・・・もう1名でもいいから、どなたか居れば・・・特にラスト近くの作品周りの演者は、あまりに演技のレベルが違い過ぎて、凄く違和感として残りました。
そしてネタバレなしで言うと、私は脚本の問題もあると思います・・・
コメディなんだから、理解は出来るのですが、そしてとても難しい事にチャレンジしているのも、十分理解しているつもりなのですが、ちょっと乗れなかった・・・
ただ、製作費をすべて個人の監督が集めている、という点において、もう何も言えないし、製作してくれてありがとうございます、という気持ちになっています。
時代劇、という言葉についても考えさせられるなぁ・・・
いわゆるテレビの時代劇ではなく、映画としての面白さを、新たな時代劇が生まれる土壌はあると思います。なので、新たな時代劇のきっかけになる、アメリカ映画で言えば、西部劇が完全に廃れ時代遅れになった後に製作されて「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のような契機になってくれる映画になったらいいな、と思います。
この安田さんをもっと使いこなせる監督と組んで、時代劇やって欲しい。
映画館で時代劇を観れる事が今は凄く貴重なので、貴重な体験をしたい人にオススメ致します。
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想ですので、未見の方はご遠慮くださいませ。
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ネタバレありで言うと、 もちろん私のような一般人にすらなれない最底辺のホモサピエンスに言える権利などないのは自覚ありますが、
やはり安田さんと周囲の人の演技の差が歴然過ぎて、違和感がある・・・なかったのはお寺の住職夫婦だけ・・・だってここはコメディパートだから・・・
真剣な場面になればなるほど、相手の人との埋められない熱量の差を感じないわけには行かないし、なんなら土佐藩士の役者としての演技には、ちょっと残念な感じでしたし、中でも名監督の役者さんの演技はかなり寒い・・・はい、演技など微塵も出来ない私に言われたくないですよね、私もそんな事を言いたくないのですが、感じた事を記しておかないと馬鹿なのですぐに忘れるので・・・
ヒロインの方の伊達メガネも、なんか違和感を感じるし、この人だけ、声を後から入れてるのか?と感じました・・・なんか違和感があるんです・・・
名監督とか名俳優とかを持ってこないとイケナイ脚本が、そもそも無理だったのかも・・・アイディアは悪くないのですが・・・
上手く乗れなかった私の問題な気がしますけれど。