井の頭歯科

「マイ・オールド・アス」を観ました     My Old Ass

2025年2月4日 (火) 09:16

 

メーガン・パーク監督     AmazonMGMStudios     Amazonprime
2025年公開映画/2025年に観た映画   目標52/120   3/10
2024年の様々な人の映画のベストを聞いていると、これは知らなかった!という作品に出合えます。その中で「ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから」と似ている映画、と紹介されていたのが今作。早速観て見ました。
まず、初めて観る監督、そしてカナダの映画。一見、恋愛的映画にも見えますけれど、私は自己決定の話し、こういう事になっている、に抗う話しと理解しました。そう言う意味では似ていると言われている「ハーフ・オブ・イット」とは毛色は違うけれど似た感触の映画。
で、割合ストレートに「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」に対する非常に強いシンパシーとリスペクトがあり、私は未見なので、これも見ようかな?と思いました。そう言えば若草物語なわけで、阿修羅のごとくとも繋がってる。
大きな湖の中を小さなボートが進んでいき、3名の女性たちは・・・というのが冒頭です。
主人公であるエリオットは両親、2人の弟と共にカナダの湖のそばで農場を営む一家の娘なのですが、トロントに入学が決まっているエリート。しかしLGBTQでもあり、なかなかショッキングな冒頭ですけれど、まぁ宣伝でもネタバレしていて。
大学入学を控えた数日前から始まるのですが、マジックマッシュルームをキメて幻覚を観るのですが、それが39歳になった自分なのです。タイトルはこの39歳の私の事をMyOldAssと呼んでいるのです(正確には39歳の私が名付けている)。で、恐らく何かの暗喩か慣用句かスラングと思われ、なんかもう少し分かりやすい表記か訳が欲しい・・・
で、その39歳の私から、いろいろ忠告を受けるのですが、あくまで幻覚の、トリップの話しかと思いきや、というストーリーです。
エリオット役のメイジー・ステラの若さ、その若さは失われたかも知れないが39歳の私が目にする故郷の湖の美しさの連動に、懐かしさも絡ませているので、より尊さと儚さを覚えます。自然の描写もこの物語にマッチしている。
そもそも、性的嗜好なんて人それぞれだと思いますし、なんなら性別に限らないからこそ、ホモサピエンスの歴史では、想像以上に様々な対象に対して、宗教的戒律や道徳的な禁忌、もしくは悪魔的な示唆を含めて強制的にやめさせようとしている、という事は欲望を持つ人が一定数いる事を示しています。なんなら古代ギリシアだとほとんどの男性がバイセクシュアルでそれがマジョリティでしたし、うちの国のちょっと前わずか200年前だと普通に衆道があったり、まぁいろいろですけれど、その事を決めるのは自分である、という事に意味があると思います。
かなり特殊の状況の特殊な話しで、しかも設定がファンタジーなんですけれど、想定外の秘密が打ち明けられる瞬間が素晴らしかった。
ま、そうは言っても、若い頃の、衝動を止めるのは難しい事ですし、それが若さであり甘さなんだと思います。あと、やはり頭に虫が沸いていると冷静な判断が出来ないですからね。
決して悪くないです、主演も周囲のキャラクター、その演者も良かった。
自己決定について考えてみたい人にオススメします。
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