ジェシー・アイゼンバーグ監督 A24 U-NEXT
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 5/16
あまりにリアル・ペインが良かったので。初監督作品も観て見ようと。そしたら配給はA24、なんかもう、成功してる感じですよ、最初からこの扱いか、天才っていうか努力の人なんでしょうけれど、才能が凄い。五百億分の一でいいから分けて欲しい・・・息をしているだけで何も産み出せず、馬齢を重ね、以下略。
ネットの中でライブが行われているような空間で歌い出すジギー(フィン・ウォルフハード)、場面変わって女性の為のセーフハウスを運営しているエブリン(ジュリアン・ムーア)は親子で・・・というのが冒頭です。
これが初監督作品!!!ジュリアン・ムーア出てるし、フィン・ウォルフハードも出てるよ!
で、親子関係映画だったか・・・しかも母親と息子の話しでした。ここはあまり好みでは無いのですが、作品はなかなか良かったです。でも邦題はどうなんだろう・・・興味を削がれる感覚しか無いし、雑。直訳もちょっと意味が分からないけれど、常套句なんでしょうか?慣用句で意味が違うのかも。
いつも通り、ジュリアン・ムーアって嫌な時の顔とか、じわじわと理解し合える時の表情の演技上手い、と思ますし、流石。
息子の、どうしようもなさ、というか無力感やダメな部分は、年齢的にも仕方ないし、まぁ少しダメの度合い、この年代で、それは無いのでは?というイタさも感じられます。政治的な意味に無頓着だし鈍感過ぎるし、自分の名前のイニシャルの付いた帽子をかぶるのも、なんでも自分のサイトの話しになってしまうのも、子供なんだからある意味仕方ないし、こういう扱いを受けないと、男性としては成長出来ないので仕方ない。我慢して気付くしか無い。そしてアメリカでも、男子と女子の精神年齢には開きがある事が分かったけれど、まぁ全世界共通的な部分でもあるでしょうね。
それと対比される母親のダメさは、ちょっと引いてしまうくらい根深い・・・この差を埋められない感覚が、個人的な感覚なんだけれどあって、それがやはりオトナとして嫌なんだけれど、きっと私も若い世代から行動を観察されているとあるんでしょうね・・・気づけないのは致命的で改善の可能性がゼロだという事を指し示していて、非常に恐ろしさを感じます。
結構な嘘もつくし、その小狡さ、が鼻につく。そして客観視すると、エレベーターが来る前に話しかけただけで解雇を言い渡される可能性感じているという権力勾配に無頓着な所が息子であるジギーにも似ていて、家族の恐ろしさ、遺伝子的に逃れられないのが本当に恐ろしい。
しかも、よく考えるとこのエレベーター前で話しかける女性に対する扱いの酷さ、この後とある人物の前ではようはダシに使われ、容姿を(コスチュームだけど)馬鹿にされ、あまつさえ、夫と息子に対する嘘に再利用されてる・・・
それとこの映画の話しで身につまされるのは夫。この夫の扱われ方、それも家族からの扱われ方。そしてその対処方法の真っ当さと相まって、非常に爪痕残してくる。
これだとシングルの方がまだマシなのかも知れない、と思わせる存在でなかなか。
音楽の使い方、特にいろいろな上手さがあるのですが、曲の頭の部分を何度も聞いていて、それがある変化が起こるラストの感覚、新鮮でした。
ジェシー・アイゼンバーグが気になる方にオススメします。