ソイ・チェン監督 クロックワークス バルト9
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 7/19
巷で大絶賛、友人たちも強く推しているので。私はアクション映画があまり好みでは無いのですが、それを知っている友人からは「ハイローだから大丈夫」との事。確かに、ハイローだと映画のアクション作品としては面白がれるかもしれない、と思い足を運びました。
1980年代香港。ディスコのような場所でかかるダンシングヒーロー。賭けで人間同士が戦っていて・・・というのが冒頭です。
香港映画の新しい伝説的映画と呼ばれるのも良く分かりました。これは響く人には大変響く作品だと思います。もちろん私も好みの映画では無いにしろ、大変響きました。
まず舞台が1980年代香港で九龍城砦を選んでいるのが、大変象徴的ですし、面白いのですが、どうやら原作があるみたいですし、原作とはかなり改変もあるようです。
でもそんな事はこの映画の中では些末な事になってしまうくらい、登場人物たちの色合いが濃くて、タイプも様々。かなりの人がこの映画の中のキャラクターでいろいろ遊べてしまいそうです、なるほど、多人数でアイドルグループをやってるのはこういう為なんですね。
かなり登場人物は込み入っています。親というか兄貴世代が3名居て、ここに裏社会の同じ世代がもう1名、それぞれの跡継ぎというか腹心の部下がいますし、その仲間もいます。でもなんとなく分かる様に、髪型とか服装とかにかなり細かな設定とかギミックをいれていて、配慮もばっちりです。
香港映画の全盛期が何時なのか?は不明ですが、私が子供の頃は確実にある種の流行がありましたし、それなりに映画館でかかってましたけれど、今はどうなんでしょうね・・・サモ・ハン・キンポー、ユンピョウ、そしてもちろんジャッキー・チェン。当時は2立てで映画観れました。
そのサモ・ハン・キンポーがでているわけで、いかに重要な映画なのかが分かります。そして伝統を継いだ居るわけです。
なので、当然新世代も居て、この新世代の中に主人公がいますし、敵役もいるのが凄く込み入った感じになっている訳です。
で、私が好きなキャラクターは断トツで龍兄貴、こと龍捲風(ロン・ギュンフォン)を演じたロイス・クーです。めちゃくちゃにかっこよいのですが、何処かで見た事がある、かと思うと、まぁドリフターズが生んだスーパースター加藤茶さんに似ているんです、スチャの「WILD FANCY ALLIANCE」の中の曲の一見アレだけどよく見ると茶マニアだと思われる服装なんです。でもそれだけじゃ言葉で伝わらないので、補てんする意味で言うと、未来の菅田将暉なんですよ。菅田将暉さんはカッコイイけれど、何気に加藤茶さんに似ているし、菅田将暉が将来こうなると考えるとアツいです。
アクションは確かに凄いのかも知れませんけれど、大切なのはキャラクター。そのキャラクターに感情移入させる事が出来たのであれば、よりアクション映えるのです、心に残るのです、心で勝手に反復してしまうものだと思うのです。
この映画はそのキャラクターが非常に立ってると思います、だからこそアクションが光る。かつて見た事があるアクションであったとしても(はっきり、ハイローの、ようなアクションもあるし、ワイヤー無いと無理な絵もあります)、そのキャラクターがそのアクションをしている所はこの映画でしか見れないのですから。だから熱量が上がる。
このワイヤーアクションだって、香港映画の伝統とも言えますし、アツい。
最初、主人公なるキャラクターは存在しないで、マクガフィン的な扱いなのかとも思いましたが、そんな事は無かったのでびっくり。普通はここで継承があるはずなんだけど、それをしなくても大丈夫なのが良かったし斬新。
それから、敵同士だが絆が存在するのもイイですし、この前日譚は既に映画化に向けて動いているそうなので、楽しみです。
ただ、1つだけ難点もあって・・・それが結構肝にも繋がるので、気になってしまうのですが、これは確かに難しいのですが、これリターンマッチの切り札でもあって、重要なんで・・・あと、名前ね・・・偽名を使う必要性くらい入れておけば・・・でも多分それくらい考えていて、まどろっこしくテンポ悪くなるから使わなかったんだと思ってます。
是非橋Pを知っている人に、オススメします。橋Pが分からない人も、是非。
しかしそっくりだったなぁ笑
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想です。未見の方はご注意くださいませ。
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ネタバレ在りの感想です。
まず、いつ龍兄貴はロッグワンに出自に気付いたのか・・・が謎なんですけれど、テンポ悪くなるからカットを信じたい。
それにこの映画はキャラクターを愛でる映画。
主人公にはもう少し主人公性みたいな何かが欲しかった気もしますけれど、それはそれでよいと思います。影薄い気もしますけれど、ね。優しいからOK
龍兄貴は別格としても、虎兄貴の活躍はもう少し見たかった。秋兄貴は、やるな、な一面を持ってたし、過去の因縁も理解出来るけど、執着が強すぎる。龍兄貴の心の広さの対比キャラになってるから仕方ないけど。
龍兄貴の一派、信一(と書いてソンヤッと読む!)がバイク乗りで狭い場所でも自在に動かすのカッコイイし、顔も綺麗で人気あると思う。だが、指を失うの、本当に痛そう・・・
四仔(と書いてセイジャイ)の、マスクが、何となくにわのまこと先生の漫画「MOMOTAROH」の主人公のプロレスラーの仮面に似てます。記憶ってこういう何だか良く分からない繋がり方をするから面白い。医者で日本語喋れて、何故かビデオで何かを探しているし、謎も多いけど、前日譚でも活躍しそう!
十二少(と書いてサップイー)のなんか非常に日本のヤンキー器質が服を着て歩いている感じが、根がイイ奴で実は頑張るタイプなの良かった。
この4名が敵を討つの最高なんだけれど、立ちふさがるのが橋Pで、このキャラクター凄くカッコイイ。
橋Pじゃなかった王九(と書いてウォンガウ)が無茶苦茶な性格で悪を背負う気概のようなものを持ち合わせていて、はっちゃけ方も見事。高笑いというか基本的に人を見下している感じもイイですし、手も声も笑いも出ちゃうんだから仕方ない、みたいな性格まで最高です。本当に橋Pに似てて笑える。
硬直!
大変楽しかったです。