井の頭歯科

「ショーン・オブ・ザ・デッド」を見ました

2012年2月14日 (火) 08:58

エドガー・ライト監督       ユニバーサル・ピクチャー・ジャパン

「宇宙人ポール」、「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」のサイモン・ペッグとニック・フロストコンビ、そして監督も「ホット・ファズ」のエドガー・ライトの作品です。もう凄く面白かった!「ショーン・オブ・ザ・デッド」と「ホット・ファズ」と「宇宙人ポール」はDVD買ってもイイ!と思えるくらい良かったです。この監督、役者絡みの映画は必ず劇場に行こうと思いました。イギリスのテレビドラマでもこのコンビ(トリオ?)でやっている「SPACED 俺たちルームシェアリング」というドラマもあるそうで、それもチェックしてみたい!日本のドラマだとキャスティングの段階で興味がなかなか沸かないですし、なんとなく、ですが、主人公とヒロインが結ばれる話し、のパターンばかりのように感じられて結末が見える感じですけれど、海外ドラマは極端にお金のかけ方やこだわりがあるように感じられます。そんなに詳しくないですけれど。予算的にどのくらい開きがあるのか知りませんが、海外ドラマで1番好きな作品と言えば私にとっては「ツイン・ピークス」です。

割合メンドクサイことが嫌いな冴えない男ショーン(サイモン・ペッグ)には、いつも同じ面子で飲む仲間と彼女がいます。彼女のリズはいつもと同じパブ・ウィンチェスターで会うことに嫌気が差してます。ルームメイトで親友のエド(ニック・フロスト)はニートで極端な男ですが、何処か憎めず、それを理由にショーンも変わり映えしない毎日を送っているのですが・・・というのが冒頭です。

ゾンビ映画はたくさんあるのでしょう。私はあまりホラー作品が好きではないので、正直この作品にも手を出すのが躊躇されたんですが、ゾンビ映画でもあり、しかしコメディでもある、という稀有な作品です。ゾンビ、というと噛み付きなどの身体接触によって感染して蔓延、話したりコミュニケートできない状態で、のろのろ歩きながら、生きている人間を襲う、というのが特徴だと思います。そのゾンビたちが主人公たちを襲うのですが、こののろのろ感が怖さの基でもあり、しかし微妙に可笑しくもあるわけです。漫画家楳図かずおの言葉で言い回しは忘れましたけれど、「近視的であればホラー、遠視的にはコミカル」というのがあったと思いますが、その言葉を上手く表現出来ている映画だと思いました。

役者であるサイモン・ペッグとニック・フロストのコンビの素晴らしさもさることながら、そのキャラクターがかなり違ったものであっても自然に見える演技力にも、この非日常を飲み込ませるだけのチカラがあったと思いますし、構成も脚本も素晴らしく練られていて、面白いです。だからこそ、コメディでもあり、シリアスな場面でも説得されてしまうのです。よく考えるとアレ?という部分を飲み込ませる世界観を作り上げているのが、演技力、練られた脚本、テンポ良い編集、そして音楽というミックス具合(まさに映画的!)が絶妙だと思います。尚且つ、この作品は、ホラーであり、コメディであり、サスペンスでもある、という非常に難しいバランスが要求されるのに、その都度それぞれシリアスに、コミカルに、緊張感ある演技であり、映像に仕上がっていると思います。この作品に関わった方々、映画が好きなんだなぁ、というのが受け手である観客に伝わってきて素晴らしいと感じました。

また、このトリオであるサイモン・ペッグ、ニック・フロスト、エドガー・ライトの作品は非常に選曲が素晴らしいのも特徴だと思います。今まで聞いた中で1番すんなり乗れて聞こえたQeenでした、笑いましたし、この曲が好きになりました。そんなにQeenの曲好きになったことないんですけれど。でも選曲は本当に素晴らしいですし、どの曲もなるほど、と頷かされますし、なんと言っていいのか、1度本当に好きで聞きまくった挙句消化された感じの選曲だと思うのです。

そしてネタバレちょっとだけありますけれど、このラストの展開好きです。まさか~という展開なんですが個人的にはナンセンスを裏返すようで好きです。あと、ゾンビに紛れる、というのも最高でした、演技指導がイイです。

ゾンビ映画が好きな方、単純に笑える作品が好きな方、そして映画が好きな人が好きな方に、オススメ致します!

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