ニコラス・ウィンディング・レフン監督 クロックワークス
ニコラス・ウィンディング・レフン監督作、初めてでしたが強烈な印象残しました。しかも同い年の監督!デンマーク出身、覚えましたよ。
男(ライアン・ゴズリング)は超絶テクニックを持つドライバーでいわゆる「逃がし屋」です。泥棒とは1度だけ組んで仕事をし、ピストルなどの武器は持たず、犯行現場で5分だけ待ち、必ず犯行者を逃がすことで報酬を受けています。ほとんど誰とも関わらず、言葉少なに生きている男が、同じアパートに住むアイリーン(キャリー・マリガン)を密かに想いはじめるますが・・・というのが冒頭です。
個人的には非常に革新的であり、斬新な光の使い方、音楽との兼ね合い、映像のアングルの新しさ、個人的スタイルが出来上がっているような作品で、それも非常にロマンティックな出来栄えであり、素晴らしいと感じました。まさにこれはロマンスの映画であり、余韻もあって個人的には観ておいて良かったと思ってます。
キャスティングも結構気に入ってまして、あの「ブルー・バレンタイン」のライアン・ゴズリングがカッコイイ!クールなヒーローであり、しかし何処かコミュニケーション能力の低い為の、口下手の為の純真さがあるという2面性がイイです。そして「わたしを離さないで」のキャリー・マリガンが非常に可愛い人を演じています。流される系の可憐さが良かったです。また、個人的に好きな俳優さん、「薔薇の名前」の異端僧、そしてジャン=ピエール・ジュネ&マイク・キャロ監督作品「ロスト・チルドレン」のワン役のロン・パールマンも出てきて良かったです。
映像はクリア過ぎないクリアさであり、静止画のような革新的な構図を変えずに、光源を動かすことで影が動くという動きに、エモーショナルな音楽を画期的に被せることでの、ロマンティシズムの見せ方、感銘受けました。恐らく好みは分かれるでしょうけれど、私個人は好きな映画です。個人的に見た中で最も近い驚きは「ディック・トレイシー」を見た時の衝撃でしょうか?あくまで映像のショックとして、ですけれど。
ストーリィは非常に単純極まりない、どこにでもあるメロドラマなんですが、ロマンティックな雰囲気と、非常に過激な残虐シーンとの対比の面白さ、そしてまさに特徴的映像美と被せてくる音楽、という映画体験そのものが個性的な作品でした。光と影の使い方がロマンティックなニコラス・ウィンディング・レフン監督、なんか残虐性の淡々とした描き方が「ヒストリエ」の岩明 均さんの作品のドライさに似ていると感じました。
新しい映像美、それもどちらかと言えばロマンティシズムに興味のある方にオススメします。
[…] ウィンディング・レフン監督作品「ドライブ」を思い出させます。「ドライブ」の感想は こちら )、かなり特徴的な斬新な映像表現に加えて、意味が分かるようでいてなかなか分からな […]