井の頭歯科

「トイ・ストーリー」、「トイ・ストーリー2」を見ました

2012年7月20日 (金) 08:59

ジョン・ラセター監督        ピクサー

先日の連休に友人宅に泊まらせていただいたんですが、そこの娘さん×2から強く薦められて一緒に観賞しました。しかも普段だったらあまり見ないディズニー作品であり、しかも字幕ではなく吹き替えで見たのですが、これがかなり面白かったです。

アメリカの標準的な家庭で育つアンディは小学生低学年くらいの男の子です。アンディは様々なおもちゃに囲まれて暮らしているのですが、中でもお気に入りはカウボーイハットを被ったシェリフであるウッディ(唐沢 寿明)であり、別格の愛情を持って遊んでいます。が、このおもちゃであるウッディには命があり、実は喋ったり、動いたりできるのです!しかし人には見られてはいけません。ウッディはアンディのおもちゃたちのリーダーなんですが、そこへアンディの誕生日の新しいおもちゃ、バズ・ライトイヤー(所 ジョージ)が表れます。アンディの心がウッディからバズに移っていくことに恐怖を覚えるウッディなのですが・・・というのが冒頭です。

ディズニーをちょっとなめてました。はっきり言ってかなり、いやとてもよく出来たアニメーションです!一緒に見ていた子供たちはセリフを一緒に喋れるくらい見返しているのも納得です。私の個人的感覚で言えば、今の子供たちにとっての既に古典になっているようでして、まるで私にとっての「カリオストロの城」です。

注意!

で、ちょっとネタバレ(はっきりしたものではありませんが)も含みますので、観賞された方に読んで欲しいです。

おもちゃ、という子供にとっての最も興味ある対象が、実は動く、というモチーフは割合良く見られるものですが、そこにアニメーションの動きを入れて、しかもおもちゃの側の葛藤を描くというのが面白いです。伏線もかなりいろいろ散りばめられていますし、なにより恐らくアメリカの子供たちからは日常的風景がまるで変わった印象を持つだろうと思うとかなり上手いと思いました。おもちゃの側から描くことで、とても物語を飲み込みやすくさせ、しかも他者からの目線を獲得することでの客観性や、多面的に考えさせるきっかけにも成りうると思います。

アンディというリーダーと、新参者でありながらおもちゃであるという自覚のないバズのバディ感がまたたまらなく面白く、試行錯誤を繰り返しながらも協力し合っていくことで生まれる連帯感(=バディ感)がタマリマセン。隣の家の乱暴者である少年シドの家からの脱走や、最後のシーンの伏線など、素晴らしいの一言に尽きました!最後の追いかけるシーンは本当に素晴らしい躍動感とおもちゃのキャラクター性があいまって大団円にふさわしいです。

おもちゃであるウッディたちの動きの面白さ、おもちゃのキャラクターの面白さ(例えばレックスという恐竜のおもちゃは、心配性というのが可笑しい)、アンディという人間の子供という存在(この映画の受け手の大多数!)に対するおもちゃの側からの視点を魅せることの面白さ、脚本も、演出も、その利点を生かしての作りこみになっていて素晴らしかったです。ほんと馬鹿にしていて見てなかった自分が最も馬鹿ということに気がつかされました、子供モノと思って舐めたらイカンですね。

2は数年後、アンディの飼い犬である(1の最後に出てきたクリスマスプレゼントの)バスターともおもちゃは仲良くなっています。ウッディはいつもアンディと一緒に出かけているカウボーイ・キャンプにいくつもりであったのですが、アンディの扱いから右腕の付け根の部分にほつれが生じてしまい、そのために初めて家に置いて行かれることになります。落胆するウッディは、さらにガレージセールが行われることを知り、仲間であるペンギンのおもちゃであるウィージーを救う為に助けに行くのですが・・・というのが冒頭です。

愛犬バスターの存在がおもちゃとペットという似て非なるものを明確に描いていて面白いですし、後のウッディの愛馬ブルズアイとの関係も面白かったです。そして1と比較して今度はウッディが実はレアなおもちゃであることを知り、前作のバズの立ち居地にウッディが置かれ、バズが助けに行く、というのが面白かったです。

相変わらず、おもちゃの動きやキャラクター、ウッディとバズの相棒感が素晴らしく、脇役も固定化されてきて面白くなります。そこに新たなキャラクターであるウッディのドラマに出てくるヒロインであるジェシーとブルズアイなどが出てきて話しを盛り上げます。

が、ちょっと1と比べるとややお話しとしても劣る気がしました。1で出てこなかったおもちゃであるバービーなんかも出てくるのですが、今ひとつ話しに混ざりきれてない気がしました、ジェシーもだけど。最後にアンディの家で対面するのはちょっとひっかかりました、アンディもっとびっくりすると思います。それとバズに絡んでいろいろな映画のパロディが入っているのは面白いと思いました。また日本のコレクターも出てきて面白かったですし、説得力ありますし、海外でも知られているんだ、と確認しました。

おもちゃの宿命と呼んで構わないとも思われる、相手の成長に伴う飽きられることや、そぐわなくなることへの覚悟も見られて、その部分はとても気になりますし、良かったです。

「トイ・ストーリー」も「トイ・ストーリー2」も素晴らしい出来栄えです、映画として、見ている間の時間が終わって欲しくない、と思ってしまう、この世界をずっとみていたい、と思わせるほどの作りこみ(ストーリィしかり、キャラクターしかり、動きしかり、伏線しかり!)があって安心してこの世界に入り込めますし、完成度も非常に高いです。子供を相手にするのは実は結構難しいことだと思うのですが、そこを軽々と超えていけるほどの作りこみです。本当におもちゃの側からの視線が丁寧で見事でした。

ピクサーの映画が好きな方に、子供モノだと思って見逃してしまっている方にオススメ致します。

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