高橋 昌一郎著 光文社新書
久しぶりに本を読みました。
非常に論理的な高橋先生の本は大変読みやすい対話形式である事が多いですが、この本もそうです。以前読んだ「限界シリーズ」も面白かったですが、1番良かったのは「哲学ディベート<倫理>を<論理>する」(の感想はこちら)です。ですが、読みやすいだけでなく、非常に深い話しで面白かったです。
今回はオカルトについて、です。最近耳にするオルタナティブファクトとかを聞いていると、本当にオカルトだなぁ、と思います。ヒッピー文化からニューエイジに流れていく先へのオリエンタリズムを含んだオカルトだと認識していますが、そのオカルトについて高橋先生が書かれたわけで、大変タイムリーな本だと思いました。
人はいかにオカルトに嵌りやすいか?を実例を挙げて説明してくれます。奇術師ハリー・フーディーニとコナン・ドイルの話しは有名ですが、一つ一つ丁寧に語られていて順を追って解説してくれていて面白いです。今でいうスピリチュアル、ですね。簡単にこういう事を信じられるのが人間なんだなぁ、と気を付けると同時に、人ってかなりあやふやな、ゆらぎのある存在なんだと思います。コナン・ドイルなんて論理的なミステリを書きつつも、簡単にオカルト信者になってしまうなんて、知っていてもビックリです。
また小保方論争、STAP論争についても分かり易く説明してくれます。この事件はあまり注目していなかったので、もう少し見ておけば良かったと後悔しています。私も最初は信じちゃっていたでしょうが。
でも、やはり人は見たいものしか見ない、という傾向がある事を、私もとくにそういう傾向が強いので、注意したいです。
オカルト、といういわゆるまやかし、ウソ、幻想に興味のある方にオススメ致します。
コメントを残す